謎の大卒力士現る 名門拓大卒も相撲部は未所属 コロナ原因で異例の経歴に 「ゆくゆくは幕内で」

[ 2025年4月4日 05:00 ]

稽古で汗を流す行徳康祐(右)
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 大相撲夏場所(5月11日初日、両国国技館)で、異色の経歴でベールに包まれた力士がデビューする。玉ノ井部屋に入門した行徳康祐(22)は拓大出身だが、学生相撲の経験はなし。昨年の国民スポーツ大会成年個人3位となり、幕下最下位格付け出し資格を得た。行徳は3日に東京都足立区の同部屋で取材に応じ、意気込みなどを語った。

 1日に入門してから3日目。行徳は四股や腕立て、一丁押しなどでたっぷりと汗を流した。1メートル77、140キロのがっちりした体つきの22歳は「集団生活が初めてなので、慣れようとしているところです」と初々しい表情で語った。

 大卒だが、学生相撲の試合に出場していない異色の経歴の持ち主だ。きっかけは東京・足立新田高3年時だった。新型コロナウイルスの感染拡大でインターハイなどの大会が中止。目立った実績を残すことができず、「あんまり相撲に対するモチベーションがなかった。いったん相撲は、いいかなと思っていた」。進学した拓大では相撲部に所属しなかった。

 大学1年時に「体育の授業がないので体を動かさないといけないと思った」と母校の足立新田高の稽古に参加した。恩師の松永昭久監督から「コーチやってみない?」と誘われて承諾。コーチとして後輩たちに胸を出し、稽古を積んで高校時代に比べて体つきも大きくなった。プロを意識し始めたのは大学4年時。「プロどうだ?」と大学時代に全国大会入賞経験のある恩師からの言葉も力に変え、社会人の大会などで実績を残した。

 学生出身力士は現在、幕内42人中20人。大関・大の里を筆頭に学生横綱などの実績を引っ提げてのプロ入りが増えている中、師匠の玉ノ井親方(元大関・栃東)は「相撲経験者の大卒で学生相撲を経験していないのは異例。(行徳は)自分で考えてできる子」と語った。

 拓大相撲部は全国学生選手権団体で5連覇したことがある強豪。卒業生には4年時に東日本学生選手権優勝、全国学生選手権3位などに輝き、春場所で幕下最下位格付け出しの五島もいる。同学年の行徳は「めちゃめちゃ強い」と称えながら、対戦を心待ちにした。

 来月2日の新弟子検査を経て、夏場所では幕下最下位格付け出しでのデビューとなる。目標は「一勝でも多く勝つこと。まずは夏場所で勝って次は関取、ゆくゆくは幕内で活躍できるようにしたい」。無限の可能性を秘め、角界に新たな風を吹き込む。 (中村 和也)

 ◇行徳 康祐(ぎょうとく・こうすけ)2002年(平14)10月22日生まれ、東京都足立区出身の22歳。小1から相撲を始め、中3まで文京針ケ谷相撲クラブ。足立新田高―拓大政経学部卒。昨年10月の国民スポーツ大会で個人3位。12月の全日本選手権は優勝した池田俊に敗れ16強。1メートル77、140キロ。得意は左四つ、押し。家族は父と兄。血液型A。趣味は「相撲」。

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