市山翼 日本人トップ10位で世界陸上に名乗り スーパー店員と二足のわらじ履くランナー

[ 2025年3月3日 04:45 ]

東京マラソン ( 2025年3月2日    東京都庁~東京駅前 )

41キロ過ぎを力走する市山
Photo By 代表撮影

 男女とも9月の世界選手権(東京)代表選考を兼ねて行われ、男子は市山翼(28=サンベルクス)が日本歴代9位の2時間6分0秒で日本人トップの10位に入った。埼玉県内のスーパー店員と二足のわらじを履くランナーが、初の世界舞台へ名乗りを上げた。

 猛烈な追い上げを見せた市山が、成り上がりのフィニッシュを刻んだ。気温14度だった号砲からレース中に20度まで上昇。難しい気象条件でも、ただ前だけを見ていた。「レース後に日本人トップと知った。良い結果を出せてうれしいです」とはにかんだ。

 先頭集団から離れた第3集団から30キロ以降にペースアップ。脱落するランナーを捉え、40キロ手前で日本人トップの池田(花王)も抜き去った。「(日本人が)まだいると思って走った」。持ち前の粘り強さを発揮し、2時間7分41秒の自己記録を大幅更新した。

 スーパー店員として週4日勤務をこなす。埼玉県草加市内の「ベルクス」草加青柳店で 発注や品出しを担当。水2リットルのペットボトルが詰まった12キロほどの段ボールを持ち上げて台車に動かす作業はさながら筋トレだ。「スクワット気味に荷物を上げたり、腹筋を意識したりしている」。20キロ競歩のパリ五輪代表、浜西諒も同店に勤務。エリートランナーにはない日常も刺激に変えていた。

 中央学院大入学時、5000メートルの記録は同期25人で下から3番目。「一人ずつ、食っていき上にのし上がることがモチベーション」。努力を重ねて箱根駅伝2区を走った過去もあり「我慢」なら誰にも負けない。自らの人生そのもののレース運びで世界舞台へ名乗りを上げた。「世界陸上に出させていただけるのであれば、もう一度活躍したい」。日本歴代2位のタイムを持つ池田やパリ五輪6位入賞の赤崎ら実力者に勝り、説得力は十分。人事を尽くした伏兵が、吉報を待つ。(大和 弘明)

 ▼ベルクス草加青柳店工藤明店長 凄い記録を出したんだというのはお客さまから聞きました。“いい記録出したよ”って。買い物ついでに言ってくれたり。(市山は)午前中に仕事で午後からトレーニングという形のシフトが多い。素直で物覚えも悪い方ではない。競歩でパリ五輪に出場した(浜西)選手もいるんですけどお互いいい刺激になっているのかな。

 ◇市山 翼(いちやま・つばさ)1996年(平8)4月8日生まれ、埼玉県出身の28歳。大宮東高から中央学院大に進み、18年箱根駅伝で2区17位。卒業後は埼玉医科グループ、小森コーポレーションを経て23年4月にサンベルクスに移籍。マラソンでは23年2月別府大分で日本人トップの3位、同年9月パリ五輪選考会MGC13位。2月全日本実業団ハーフで日本歴代8位1時間0分22秒で優勝。1メートル67、50キロ。

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