大会前に号泣 北口「自信を持って臨めたのは信じてくれる人がいたから」 2時間大激論で方向性が一つに

[ 2024年8月12日 03:45 ]

陸上女子やり投げ 北口榛花が金メダル

競技の合間にカステラを口にする北口榛花 (代表撮影)
Photo By 代表撮影

 優勝が決まった北口に、セケラク・コーチは「ハルカが世界で一番完璧だった」とねぎらいの言葉をかけた。家族、トレーナー、マネジャー…。次々に“チーム北口”が祝福の声をかけた。北口は「自信を持って臨めたのは自分を信じてくれる人がいたから」と感謝した。

 19年2月から王国チェコ仕込みの基礎運動、技術を学び、同年内に当時の日本記録を樹立。さらなる飛躍を目指し、20年秋に応用解剖学が専門で当時筑波大准教授の足立和隆さんと出会い、通っていた治療院の上野真由美トレーナーらと猫背の姿勢矯正を図った。

 足立さんは「幼稚園児が走っている感じだった」と振り返る。上、下半身の連動を刷り込ませるために大小の階段上りを行い、座面が18度前傾した特注の椅子も作り、骨盤を前傾させるよう意識づけたことで故障が減少。今年1月からチェコに管理栄養士の浜田綾子さんが同行。和食を中心に取ったことで体調も整った。

 それでも今季は記録が上がりきらなかった。分岐点となったのは5月14日の夜。都内の味の素ナショナルトレーニングセンターに北口含む7人が集結した。筋力強化を求めるセケラク・コーチ、柔軟性を取り戻そうとしたトレーナー陣が妥協点を模索。チェコ語が堪能になった北口が、セケラク・コーチの強い言葉が「怖い」と号泣。正直な思いを吐露する場面もあり、足立さんは「(本人が)鬱積(うっせき)を全て吐き出すことができた」と振り返った。コーチは理解を示して、練習の負荷を修正し、基本姿勢を取り戻す作業を最優先。2時間に及ぶ大激論の末に方向性が一つになり、戴冠につながった。

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

スポーツの2024年8月12日のニュース