葛西 4季ぶりW杯本戦進出でまたギネス!51歳、最年長出場で6つ目世界記録申請へ

[ 2024年2月17日 04:39 ]

ノルディックスキーW杯ジャンプ男子札幌大会 ( 2024年2月16日    札幌・大倉山ジャンプ競技場 )

男子個人第19戦で予選を通過し、笑顔の葛西紀明
Photo By 共同

 51歳のレジェンド、葛西紀明(土屋ホーム)が4季ぶりのW杯出場を決めた。ノルディックスキーW杯ジャンプ男子札幌大会は16日、札幌・大倉山ジャンプ競技場(ヒルサイズ=HS137メートル)で個人第19戦(17日)の予選を行い、106メートルを飛んで86・5点の45位となり、50位までによる本戦に進んだ。W杯本戦出場は20年2月の札幌大会以来で、W杯個人最多の570試合目となり自身の持つ最多記録を更新。さらにW杯最年長出場で6つ目の世界ギネス記録を申請する見通しとなった。

 ヒヤヒヤものでW杯に滑り込んだ。葛西はゼッケン4番で登場すると、記録更新の重圧のあまり踏み切りのタイミングが遅れ、少しでも飛距離を伸ばそうと着地も乱れた。まさかの106メートル。だが後続が失速し、本戦出場50人中45位で予選突破が決まると両手を突き上げ笑顔がはじけた。

 「あぶねぇ~!めちゃくちゃ緊張したぁ。50歳になってからの出場で喜びはひとしお。この予選が一番のプレッシャーだったので失敗するだろうなと思ったら案の定だった。達成できて良かった」と“冷や汗”を拭った。

 昨季のW杯札幌大会は欠場者が出たため、次点から繰り上がりで予選出場のチャンスを得たが、調整不足で51位と55位の予選落ち。年始からは、今大会に照準を定め、朝夜計7キロのランニングを欠かさず、食事制限で体重を5キロ落とした。ここ数年は踏み切りでスリップして力が伝わらない不振にあえいだが、所属先の愛弟子・伊藤有希の助走姿勢をヒントに修正。力強い踏み切りを取り戻し、3日のTVh杯(大倉山)では2季ぶり、50代で初の優勝も飾った。

 11日に葛西に次ぐW杯500試合出場を達成したシモン・アマン(42=スイス)は大喜び。海外メディアがマイクを向けるなど51歳の偉業に世界も注目した。17日の本戦で自身のW杯最多出場記録を570に更新。さらにW杯最年長出場記録についても所属する土屋ホームの関係者は「申請を考えている」と明かし、認定されれば自身6つ目のギネス世界記録となる。

 「(予選突破で)気は楽になった。いいジャンプをして(W杯得点を得られる)30位以内に残りたい」。新たな伝説を刻んだレジェンドは次なる目標を掲げた。(武田 政樹)

 【葛西の持つギネス世界記録】
 ☆ノルディックスキージャンプ男子W杯個人最多出場 569回
 ☆W杯最年長優勝 42歳176日(14年11月個人第3戦フィンランド大会)
 ☆世界選手権ジャンプ部門最多出場 13回
 ☆冬季五輪最多出場 8回
 ☆冬季五輪スキージャンプ最年長メダリスト 41歳256日(ソチ大会ラージヒル団体銅メダル)

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