若元春 腹に乗せ投げ捨てた“うっちゃり”で怪物退治!3敗死守、逆転Vへ12日目は横綱・照ノ富士に挑む

[ 2023年5月25日 04:30 ]

大相撲夏場所11日目 ( 2023年5月24日    東京・両国国技館 )

北青鵬(上)をうっちゃりで下す若元春(撮影・島崎忠彦)
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 新関脇の若元春が逆転勝利で勝ち越しを決めた。規格外の相撲で旋風を起こしている2敗の北青鵬を土俵際のうっちゃりで投げ捨て8勝目。優勝戦線に踏みとどまった。関脇・霧馬山は平戸海を退け9勝2敗とし、大関昇進の目安となる直近3場所33勝に“王手”。大関・貴景勝は7勝目でカド番脱出にあと1勝とした。横綱・照ノ富士と平幕・朝乃山が1敗を守り、2敗は霧馬山1人となった。

 ミスを帳消しにする粘りが、若元春に大きな勝利をもたらした。「四つに組むとうるさい相手。おっつけで出ようとしたが、組んでしまった」。吸い込まれるように北青鵬に肩越しの上手を許し、胸が合った体勢でロックされた。絶体絶命。だが、諦めなかった。

 土俵際、長身ゆえに腰高の相手の泣きどころを利用した。自身の腹に相手の体を乗せながら後方に投げ捨てる、定石通りの対応。2メートル4が風船のように飛んでいった。関脇としての意地を示し「簡単に負けられないという思いだった」と力を込めた。八角理事長(元横綱・北勝海)は「見事だ。北青鵬もこんな負け方は初めてだろう」と絶賛した。

 土俵際の粘り腰には定評がある。22年初場所の入幕後、9場所で5度目のうっちゃり。「決していい技ではない」と謙遜するが藤島審判長(元大関・武双山)は「背筋(の力)と柔らかさがないとできない」と評価した。

 今場所、角界に衝撃を与え続ける怪物を退治し、12日目は横綱・照ノ富士に挑む。小結だった直近2場所で20勝。残り全勝でも33勝には届かないが、初優勝となれば大関昇進の機運が高まる可能性もある。「まだ4日あるし、どこまで伸ばしていけるか」。土壇場の粘りはお手のもの。“うっちゃり王”の本領発揮は、これからだ。

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