【上水研一朗の目】相手の分析上回る角田の“自由自在”巴投げ

[ 2023年5月9日 04:43 ]

柔道世界選手権第1日 ( 2023年5月7日    カタール・ドーハ )

決勝でフランス選手(左)に巴投げを決める角田(AP)
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 巴投げと寝技。戦い方を確立している角田は、対戦相手にとってみれば分かりやすい選手だが、相手の対策や分析を上回ってみせた。

 まず、巴投げ自体がさまざまなパターンから入り、落とす方向も自在に変えられるので、防ぐのは難しい。相手が腰を引いて重心が後ろになれば、小外刈りも使い、もつれれば寝技につなげる。ディフェンス面では最後の一線は越えさせない、という配置。相手は投げたくても、もつれた時の寝技の脅威が上回り、最後まで追い切れない。全ての寝技のパターンをしのぐ技術か、よほど身体的に強くない限り、角田の防御ラインを突破できる選手はいないだろう。

 準決勝で敗れた高藤は序盤にポイントを取った時点で、安全運転で行こうという心理が働いたのではないか。ガルリゴスはやり慣れた相手でもあるので余計にその気持ちが出た分、並ばれた後はギアチェンジができなかった。最後は脇固めのような形から投げられており、1回転して相手の技がかかったように見えたが、ケガを防いだ判断は仕方ない。今回は覚悟の部分で準備ができていなかったが東京五輪も19年大会の5位から巻き返した。

 今回、痛い目に遭ったことは、高藤にとってはプラスに働くと思う。(東海大体育学部武道学科教授、男子柔道部監督)

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