本間章郎氏 スケボー小野寺の正確性はまさに「マシン」 堀米とは異なるタイプ

[ 2023年2月7日 04:37 ]

スケートボード・ストリート 世界選手権最終日 ( 2023年2月5日    UAE・シャルジャ )

スケートボート・ストリート世界選手権でトリックを披露する小野寺吟雲(AP)
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 【本間章郎の目】小野寺の凄さは、トリックにおけるコンビネーションの多さにある。例えば決勝のベストトリック4本目に88・00点を出した「フロントサイドブラントスライド・バックサイドビッグスピンフリップアウト」。レールに入る、滑る、下りるの3段階で、それぞれにひねりや回転を加えている。私の世代では夢だと思っていたようなトリックを悠々とこなす技術があり、完成度も高い。海外では敬意を込めて「マシン」と呼ばれているように、正確性も世界屈指だろう。

 ランでは1本目の失敗で追い込まれた中、2本目をしっかり決めた精神力(メーク率)もさすがだ。この1年は身長も伸びて、以前は物理的に無理だった高さのあるレールや障害物にも乗れるようになっている。

 まだ12歳で伸びしろの塊。今後、体が大きくなればスピードや高さが増し、現在のトップ選手の一段階上を歩んでいけるだろう。創造性の高いトリックで五輪王者になった堀米雄斗とは異なるタイプの、誰も見たことがないスケートボーダーになる可能性を秘めている。(日本スケートボード協会競技委員)

 ▽スケートボード・ストリート 街中を模したコースの縁石や手すり(レール)、階段を利用し構造物に跳び上がったり板を回転させたりするトリック(技)の難度と完成度を競う。初採用の東京五輪で日本は男女制覇を果たした。パリ五輪のルールは45~60秒間で技を連発する「ラン」を2回、一発技の「ベストトリック」を5回滑り、1回につき100点満点で採点。ランの最高点、ベストトリックで得点の高い2回の合計で順位が決まる。五輪出場に年齢制限はない。

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2023年2月7日のニュース