国枝慎吾氏　引退決意は優勝したウィンブルドンの芝の上　国民栄誉賞検討に「車いすテニスが評価されたと」

引退会見する国枝氏（撮影・西海健太郎）
Photo By スポニチ

　車いすテニスの第一人者で、1月に現役引退を発表した国枝慎吾氏（38）が7日、所属するユニクロの有明本部（東京・有明）で引退会見を行った。

　「東京パラリンピックが終わって引退を考えていた。昨年はグランドスラム４大会のうち３つ獲得。調子もよかった。ウィンブルドンで優勝してあの芝のコートで最初に出た言葉が、これで引退だな、でした。やりきったな、という言葉が出てきた。このままテニスを続けていいのかという思いもあって、決意をしました」と決断に至るまでの経緯を語った。

　会見場には09年から所属契約を締結しているユニクロの柳井正代表取締役会長兼社長（73）も出席し、花束を贈呈。国枝氏に対して「新しい国枝慎吾の誕生という意味で、今日はおめでたい日であります」と称えた。

　国枝氏はパラリンピックのシングルスで、08年北京、12年ロンドン、21年東京の3大会で金メダルを獲得。昨年のウィンブルドン選手権を制し、全ての4大大会とパラを制する「生涯ゴールデンスラム」も達成し、ランキング1位のまま競技生活を終える。

　この功績に日本政府も国民栄誉賞を授与する方向で検討に入った。国枝氏は「先週の金曜日に検討しているという連絡があった。車いすテニスが評価されたと大変光栄に感じた」と素直に喜びを口にした。受賞が決まればパラスポーツ界で初となる。国民栄誉賞について聞かれた国枝氏は「先週の金曜日に検討の連絡があった。車いすテニスが評価されたと大変光栄に感じた」と喜びを口にした。

　今後については「ぼんやりとは出てきたが言葉にするとやらないといけないので秘めておきたい」と笑った。車いすテニスの競技普及は続けていきたいと話した。