埼玉栄相撲部出身者で千秋楽相星決戦 山田監督「こんなに幸せなことはない」

[ 2023年1月23日 04:45 ]

大相撲初場所 千秋楽 ( 2023年1月22日    両国国技館 )

すくい投げで琴勝峰を破る貴景勝(左)(撮影・西海健太郎)
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 史上初の同じ高校出身の力士による千秋楽相星決戦。埼玉栄の山田道紀監督(57)はこの日、相撲部の寮で部員たちとともに見届けた。3年間、一つ屋根の下で暮らしながら育てた教え子が最高峰の舞台で優勝を争う展開に「うれしいですよ。こんなに幸せなことはない」と感慨深げ。それと同時に「どっちも応援したいけど…苦しいよね」とうれしい悲鳴を上げた。

 山田監督は生徒の入学時に、3年間だけでなく「一生付き合いましょう」と卒業後も面倒を見ることを約束している。これまでOB力士から頻繁にケガの相談を受けてきた。今場所中、貴景勝は11日目の琴ノ若戦で古傷の首を悪化させていたという。大事な終盤戦で負傷した大関に治療先を紹介し、励ました。ケガを抱えながらの優勝に「よく耐えたな。小さい体で本当によく頑張っている」と教え子を称えた。

 同校OBは現在、十両以上の関取だけで13人。これまでに計26人もの関取を輩出した。教え子同士の対戦も多く「うちばかりで嫌になっちゃうよ。見ていて疲れる」と“悩み”もある。それでも「お互い勝たせてやりたいけど、今回は先輩の方が勝ってホッとしている」と本音を吐露し「琴勝峰は良い経験になったと思う。これからがあるからいい」と続けた。それぞれの番付や立場を考慮した言葉には、親心が感じられた。

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2023年1月23日のニュース