横浜のデクラーク 救世“守”デビュー 南ア代表“小さな巨人”が果敢タックル

[ 2022年12月19日 05:07 ]

ラグビーリーグワン第1節   横浜39ー30神戸 ( 2022年12月18日    ニッパツ )

<横浜・神戸>後半、好守を見せる横浜・デクラーク(右)(撮影・木村 揚輔)
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 3試合が行われ、昨季6位の横浜は同7位の神戸を39―30で破り、白星発進した。今季加入した南アフリカ代表のSHファフ・デクラーク(31)は後半14分から途中出場でリーグデビューし、1トライをアシストするなど攻守で存在感を発揮。昨季は惜しくも逃したプレーオフ進出へ、“小さな巨人”がけん引する。昨季3位の東京ベイは準優勝の東京SGに31―18で勝利した。

 ファンはこの日の主役が誰なのかを心得ていた。前半途中、冬の陽光に輝く金髪をたなびかせながらデクラークがアップを始めると、観衆はプレーそっちのけで視線を送った。19年W杯、同じ横浜の日産スタジアムで行われた決勝から1142日。強烈な印象を残すプレーと風貌の“小さな巨人”が、待望のデビューを果たした。

 「落ち着いてゲームをコントロールできた。反省点はあるが、試合に勝てて何より」

 11月末のイングランド戦で左足首を負傷。来日後もリハビリ続きで、全体練習参加はわずか「5回くらい」で開幕戦を迎えた。だが短期間でチームにフィットできるのが世界一のSHの真骨頂。ディフェンスの時間はピッチを駆け回って空きスペースを埋め、大きなFWに果敢にタックル。「今も治療しながら練習している。まだ100%ではない」と言いながら、豊富な運動量に陰りはなかった。

 2点リードの後半26分には、ゴール前ラインアウトからスペースを見つけてボールキャリー。トライも十分狙える状況だったが、相手2人を引きつけたところに走り込んだヒルにパスを出し、トライをアシストした。時には乱闘も辞さないほど勝ち気だが、プレーでは常に冷静に状況判断。試合終了までコンビを組んだSO田村も「賢い選手」と称えた。

 昨季はあと一歩で4強に届かなかった横浜。W杯優勝を経験しているデクラークは、そのあと一歩を埋める請負人でもある。次戦は25日の東京ベイ戦(昭和電ド)。「しっかり分析して臨みたい。あとはクリスマスが楽しみだね」とその目と金髪を輝かせた。

 ◇ファフ・デクラーク 1991年10月19日生まれ、南アフリカ出身の31歳。地元南アのライオンズでプロキャリアを始め、17~22年は英プレミアシップのセール・シャークスでプレー。南ア代表では16年6月のアイルランド戦で初キャップを獲得。19年W杯日本大会では正SHとして3度目の優勝に貢献した。1メートル72、88キロ。利き足は左。趣味はハンティング。

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2022年12月19日のニュース