“横浜の新助っ人”デクラーク 世界の左足で歓喜のキス再現だ 南アフリカ代表通算46キャップ

[ 2022年12月13日 04:45 ]

ボールを指で回すデクラーク(撮影・光山 貴大)
Photo By スポニチ

 ラグビーのリーグワンは17日に開幕する。昨季6位からの躍進を狙う横浜に新加入したのが、南アフリカ代表通算46キャップを誇るSHファフ・デクラーク(31)。19年のW杯日本大会優勝の立役者でもあり、世界屈指のSHが単独インタビューに応じた。身長1メートル72と小柄ながら強烈なタックルと正確なキックが武器で、おちゃめな一面を持つ“小さな巨人”の素顔に迫った。

 19年のW杯日本大会で大活躍したデクラークがいよいよリーグワンデビューを飾る。23年W杯フランス大会直前のシーズンにもかかわらず、3年前の滞在で気に入った日本への移籍を決断。「世界でもベストなチームと言われるようにしたい」と意気込む名SHのトレードマークから探った。

 きれいなさらさらの金髪はどこにいてもすぐ分かる。長髪は幼い頃からの定番。今は3カ月に1度の散髪で整えている。「ぼさぼさにならないよう、シャンプーとコンディショナーできれいに保つ。奥さんにとって魅力的であるように心がけているよ。今後はもう少し伸ばして侍のようにちょんまげをつくりたいね(笑い)」

 もう一つ、目を引くのは1メートル72、88キロのサイズ。「小さい頃から一番小さかった。“小さいからラグビーなんてできないだろ”と言われることもあったけれど、父からは“小さくてもびびるな”と鍛えられた。見返したい気持ちが原動力だね。大きな相手に“こいつタックルできないだろ”と思わせておいて、タックルを決めるのが楽しみになった」

 ハンデをものともせず、大きい選手に当たり負けない強いタックルが持ち味だ。「踏み込む力、パワーステップを大事にしている。思いっきり踏み込んで、できる限り低い姿勢で相手の足をとりにいく。右肩から入るなら、右足をしっかり前に出して強く踏み込むんだ」。精度の高いキックも同様に「パワーステップ」が重要といい、「キックしやすい環境を整え、蹴る際のボールの角度を毎回同じにする」と明かした。

 19年W杯では、スクラムでボールを入れる前に人さし指でボールをくるくると回すポーズもおなじみとなった。「やり始めたら癖になっていたね。相手FWがこのしぐさに意識がいって、スクラムに集中できないといいんだけど(笑い)」。当時は、海水用パンツ姿でトロフィーにキスする写真も反響を呼んだ。プレー時は海パンをはくのがルーティン。「代表では南アフリカの国旗柄パンツ、(前所属の)セール・シャークスではセール・シャークス用(にデザインされた)パンツをはいていた。横浜用も手配できないか考えてるよ」。もちろん頭に描くのは、海パン姿でリーグワントロフィーへキスするシーン。「そうなることを願っているよ」と力強く宣言した。

 ◇ファフ・デクラーク 1991年10月19日生まれ、南アフリカ出身の31歳。南アフリカ代表46キャップ。16年に初招集され、6月のアイルランドとのテストマッチで代表デビュー。日本開催の19年W杯は優勝に貢献した。17年から昨季まで英プレミアシップのセール・シャークスでプレー。趣味はハンティング。ポジションはSH。1メートル72、88キロ。

 ≪19年W杯日本大会Vの立役者≫▽デクラークの19年W杯VTR 主力SHとして自身初の舞台に臨み、1次リーグ2試合、決勝トーナメントでは全3試合に先発出場。日本と対戦した準々決勝ではディフェンスで流―田村のハーフ団に強いプレッシャーをかけ、後半にはWTB福岡をハンドオフでかわしてトライを挙げるなど、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝き勝利に貢献。ウェールズとの準決勝では相手ロックともみ合うなど、闘志を前面に出すパフォーマンスで南ア3度目の優勝の立役者となった。

続きを表示

この記事のフォト

2022年12月13日のニュース