LPGAのモリー新コミッショナー×日本女子プロゴルフ協会・小林浩美会長の日米トップ会談が実現!

[ 2022年11月8日 05:00 ]

対談する小林会長(左)とモリー・コミッショナー
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 国内唯一の全米女子プロゴルフ協会(LPGA)公式戦で、日本女子ツアーも兼ねるスポニチ主催「TOTOジャパンクラシック」が6日までの4日間、滋賀・瀬田GCで開催された。昨年5月、新コミッショナーに就任したモリー・マクー・サマーン氏と日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の小林浩美会長による「日米トップ対談」が実現した。

 ―開幕前日にお二人は歓迎レセプションに出席されました。互いの印象は
 モリー「小林会長は偉大な選手であり、ツアーに尽力され、凄く有能な方だと聞いています。だからこそ日本ツアーがこれほど華やかに盛り上がっているのだと思います」

 小林「モリーさんはとても明るい。コミッショナーに就任したばかりで大変な事も多いのに“チャレンジング”と仰っていて、この明るさと馬力でLPGAもさらに良い方向に進めていかれるむと感じました」

 ―20、21年はコロナ禍の影響で日本ツアー単独開催でした。3年ぶりに米、日本ツアーを兼ねる大会が帰ってきました。意義はどう感じられますか
 モリー「45年の歴史を持つ大会。私たちのツアーの強みは世界中から選手を迎えていること。かつてはアニカ・ソレンスタム、カリー・ウェブ、ベッツィ・キングらが優勝しています。3日間から4日間競技となり、賞金総額も約1億5000万から約2億円になりました。歴史と伝統があり、新しい大会として再開できたことを嬉しく思います」

 小林「歴史ある大会であり、USLPGAとの絆、友情を積み上げてきました。ポイントや成績が上位にいないと出場は厳しい。日本ツアーの選手にとって目標であり、世界トッププロと競い合う、とても大切な大会です」

 ―近年、日本人選手の米ツアーでの活躍も目立ちます
 小林「各選手の目標が高くなり、努力の仕方も工夫している。また、協会が2013年から始めたさまざまな“ツアー強化”施策の成果が出ています。米国では4日間開催が当たり前ですが、日本は3日間が多かった。その中で38大会中18試合を4日間に、他にも練習場環境の基準化、スタッツ30項目、コースセッティングの多様化などが今の活躍に紐付いている。日本の環境を米国に近づけることでギャップを埋める。4日間開催には生活パターン、体力、戦略の変化も含まれます。さらに強いフィールド(米国メジャーなど)でも選手が自分の力を発揮できるようにずっと10年間やってきました」

 モリー「畑岡選手、古江選手と食事をする機会がありましたが、日本の選手は本当にポジティブで情熱的です。そして負けず嫌い。スコットランド・オープンでは古江選手の優勝を間近で見て圧倒されました。プロアマ戦でのプレー、振る舞いも素晴らしいです」

 小林「日本選手に目をかけて頂き、また、その頑張りを評価して頂き、本当にありがたい。昔は米国に行き、そこで努力をして、というパターンでしたが、今は日本ツアーにいながらすぐ結果を出す。特に渋野プロは全英女子オープンで勝って、分厚い壁を打ち破ってくれた。選手たちが“もっとできる”という気持ちに大きく変化したと感じます」

 ―今後の取り組みについて教えて下さい
 モリー「ツアー同士の日程調整が大事だと思います。30カ国以上から選手が参戦してくれています。そこが他ツアーとの違い、強みだと思っています。新しいスケジュールではインターナショナル・クラウン(国別対抗戦)。23年にサンフランシスコ、25年は韓国、27年は米国での開催を考えています。五輪でも分かるように国際大会が重要です。賞金総額も来年は1億ドルになる見込みです。ゴルフ場の質を高めるだけではなく大会賞金総額を上げていくことにも取り組んでいます」

 小林「JLPGAのブランド強化とスポーツビジネスの基幹構築を10年間、中期計画を立ててずっとやってきました。日本ツアーの世界でのポジショニングもしっかりした今、さらに強いフィールドになるようにツアー強化を続け、ファンの皆さまには、より満足度の高いものをご提供できるように環境づくりなどをスポンサーの皆さまと作っていきたい。目指すところはエンターテインメント産業の発達している米国。そこを目標にいろいろと取り組んでいきます」

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