機運冷え込む30年五輪の札幌招致…広がる東京五輪汚職事件 KADOKAWA2人逮捕、元理事再逮捕

[ 2022年9月6日 15:21 ]

国立競技場と五輪マーク
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 東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件が広がりを見せ、札幌市の30年五輪・パラリンピック招致への影響も大きくなってきた。

 東京地検特捜部は6日、スポンサー企業の出版大手KADOKAWAから計約7600万円の賄賂を受領したとして、受託収賄の疑いで大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者を再逮捕。贈賄の疑いで、KADOKAWAの専務取締役だった芳原世幸容疑者ら2人も逮捕した。また、高橋容疑者や、贈賄容疑で逮捕されている紳士服大手AOKIホールディングスの前会長青木拡憲容疑者ら3人を起訴した。

 日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は8月25日の会見で、札幌招致の是非を再考する可能性を問う質問に対して「そういう考えは持っていない」と明言。この時点では今月中旬に、札幌市とJOCが国際オリンピック委員会(IOC)本部訪問を予定していたが、中止になった。

 その後も東京五輪・パラリンピックを巡る疑惑は深まるばかり。札幌招致について山下会長は「丁寧に説明し、開催趣旨を理解していただけるよう、最後の最後まで全力を尽くす」と言うものの、現状は冷ややかな視線が注がれている。

 カナダのバンクーバーや米ソルトレークシティーも名乗りを上げている30年大会の開催地について。IOCは12月までに候補都市を絞り込むとされている。最有力候補とされていた札幌だが、機運は醸成されるどころか、いよいよ冷え込んできた。

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2022年9月6日のニュース