松田凜日が値千金2トライ　女子日本代表が格上アイルランドを初撃破　ラグビー太陽生命チャレンジ

ラグビー太陽生命チャレンジシリーズ2022   日本29―10アイルランド （ 2022年8月27日    東京・秩父宮ラグビー場 ）

＜日本・アイルランド＞後半14分、一人で持ち込みトライを決める松田（撮影・藤山　由理）
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　世界ランキング13位の女子日本代表は同6位の女子アイルランド代表を29―10で破り、通算7度目の対戦で初勝利を挙げた。10月8日開幕のW杯ニュージーランド大会を控える日本は、これで大会前の国内テストマッチを全て消化。格上撃破で勢いに乗り、5度目の大舞台に臨む。

　20日の第1戦を22―57で落とした日本は、先発を大幅に入れ替え。前主将のフランカー斉藤聖奈（パールズ）やコンディション不良でここまで出番のなかったロック佐藤優奈（東京山九）、昨季はオーストラリアのブランビーズでプレーしたCTB古田真菜（東京山九）らが先発に名を連ね、必勝を期した。

　試合は前半3分、アイルランドにセットプレーからトライを許し、あっけなく5点のリードを許した。1週間前の完敗が脳裏をよぎる滑り出しとなったが、その後は日本が攻め立てる時間帯に。ゴール前ラインアウトの決定機では決めきれなかったが、同16分にスクラムを起点にバックスにボールを回し、相手ディフェンスの間隙を突いたSO大塚朱紗（RKUグレース）が反撃のトライを奪った。

　そして値千金の勝ち越しトライを奪ったのは、元日本代表で4度のW杯代表選出の実績を持つレジェンド、松田努氏を父に持つFB松田凜日（日体大）だった。1週間前はCTBで先発した松田だが、この日は父の代名詞とも言える15番で先発。同34分、相手陣スクラムからSH阿部恵（アルカス熊谷）―SO大塚と渡ったパスの逆目に走り込んだ松田が2人のディフェンダーを吹き飛ばすフィジカルの強さを見せつけてトライ。“15番・松田”のトライに、聖地・秩父宮はこの日一番の盛り上がりを見せた。

　12―5とリードして折り返した日本は、後半8分にはWTB名倉ひなの（横河武蔵野）がリードを広げるトライ。さらに同14分には松田が父をほうふつとさせるステップワークで2人を交わし、45メートルを走りきってこの日2トライ目を挙げた。昨季はイングランドのエクセターチーフスでプレーした途中出場のプロップ加藤幸子（横河武蔵野）にもトライが生まれた日本は、結局計5トライで快勝。テストマッチの連敗を2で止め、秋の本番へ弾みを付けた。