「2走・サニブラウン」男子400リレーのエース区間任せた 世界陸上で新布陣

[ 2022年7月3日 05:10 ]

2走を担うサニブラウン
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 今月15日に開幕する陸上世界選手権(米オレゴン州)に出場する男子短距離勢が2日、都内で練習を公開した。日本陸連の土江寛裕ディレクター(48)は、400メートルリレーのエース区間2走にサニブラウン・ハキーム(23=タンブルウィードTC)配置を明言。世界の表彰台常連である“リレー侍”の選手たちが不在の中、サニブラウン中心のフレッシュ布陣で3大会連続メダルを目指す。

 これも期待の表れだ。土江ディレクターがエースに指名したのは、サニブラウンだった。「パリに向けてのチャレンジ。今年しか挑戦的なことができるチャンスがない」。今大会のテーマを語り「リレーのオーダーもチャレンジしたい。(サニブラウン)ハキームが中心の選手になる。2走を考えている」と明かした。

 2走はバトンパス区間を合わせ最大130メートル走ることが可能。最高速度を生かせるストレート区間で、巧みなバトンワークも求められる。直近の東京五輪では、日本記録9秒95を出した山縣が担当。サニブラウンはその記録に次ぐ9秒97の日本歴代2位のタイムを持ち、6月の日本選手権も制す勝負強さもある。土江氏は「一番、彼を生かす走順」と語った。前日のミーティングでは米国拠点のサニブラウンもオンライン参加。順位や数値目標、戦略を共有した。

 日本のお家芸は、新たな布陣を見定める過渡期にある。右膝を手術した山縣、今季休養を発表した桐生、左太腿裏を痛めた多田ら常連組が今大会は不在。土江氏は「リレー侍といういつもの選手たちがいるが、彼らも休養が必要」と語る。

 来夏の世界選手権(ハンガリー)はパリ五輪の予行演習と位置づけ、今大会はエースのサニブラウン、小池、初出場4人の計6人で構成する“若侍”の腕試し。土江氏も「いつものお兄さんが出ないから、若い選手が経験できるチャンス」とハッパをかける。バトンミスで終わった東京五輪からの面目躍如となる3大会連続メダルは至上命令。日本の浮沈は、2走・サニブラウンに懸かっている。

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