東京五輪・パラ開催経費は1兆4238億円 関係者削減で見通し下回る 組織委は30日で解散

[ 2022年6月21日 19:11 ]

東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の理事会であいさつする橋本聖子会長(右から2人目)。左からJOCの山下泰裕会長、武藤敏郎事務総長、右端は東京都の小池百合子知事=2022年6月21日午後4時1分、東京都庁(代表撮影)
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 東京五輪・パラリンピック組織委員会は21日に最後の理事会を開き、大会経費の総額が1兆4238億円(うちパラリンピック経費1514億円)だったことが最終報告された。大会会場の原状回復工事などが終了して支出を精査した結果、昨年12月に示された経費見通しの1兆4530億円を292億円下回った。

 新型コロナウイルスの感染拡大による大会の1年延期決定後、20年12月に公表された第5次予算の1兆6440億円を2202億円も下回った。組織委員会では「オリンピック・ファミリー」と呼ばれる大会関係者を従来の3分の1以下に制限した結果の経費削減や、ほぼ無観客での開催によるスタッフ・設備の削減など徹底した簡素化が要因と分析しており、伊藤学司チーフ・ファイナンシャル・オフィサーは「関係者の人数削減が効いた。ここまで簡素化を徹底しても大会はできるというのを(24年)パリ大会以降にも示せたと思う。1つのレガシーとして、コロナ下特有の問題ではなく今後に引き継いでもらえれば」とコメントした。

 最終的な大会経費は、初めて経費の全体像が示された16年12月の第1次予算1兆5000億円を762億円下回ったが、招致段階の13年に国際オリンピック委員会(IOC)に提出した「立候補ファイル」の7340億円からは2倍近い規模となった。

 1兆4238億円の分担は組織委が6404億円、東京都が5965億円、国が1869億円。内訳は施設やテクノロジーなどの会場関係が8649億円、大会運営や輸送・セキュリティー、マーケティングなどの大会関係が5236億円、コロナ対策関連が353億円となっている。東京都が支出する予定だった経費は昨年12月の見通しを283億円下回った。

 また、組織委の主な収入はIOC負担金868億円、TOPスポンサー569億円、国内スポンサー3761億円、延期に伴う保険金500億円、主な支出は会場関係が1955億円、大会関係が4449億円と公表された。組織委は今月30日で解散し、今後は3~6人の清算人が清算法人の業務を執行する。清算人は27日に評議員会で選任される。

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