国内最小兵の比嘉がツアー3勝目、早朝便で駆け付けた妻の前で今季初勝利

[ 2022年4月17日 17:55 ]

男子ゴルフツアー 関西オープン最終日 ( 2022年4月17日    よみうりCC=7180ヤード、パー71 )

<関西OP最終日>優勝した比嘉一貴は笑顔で優勝カップを掲げる(撮影・井垣 忠夫)
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 男子ゴルフの今季国内ツアー第2戦、関西オープン(賞金総額8000万円、優勝賞金1600万円)は17日、兵庫県西宮市のよみうりCC(7180ヤード、パー71)で最終の第4ラウンドを行った。

 首位スタートの比嘉一貴(26=フリー)が2バーディー、1ボギーの70で回り、通算14アンダーで逃げ切り勝ち。2021年8月のセガサミー・カップに続くツアー3勝目を挙げた。

 最終18番パー5(559ヤード)。「締め方が大事」と入れにいった2メートルのバーディーパットがカップに嫌われ、ガックリとうなだれたが、それは比嘉の意識の高さ。ウイニングパットをタップインし、早朝の便で東京から駆け付けた明恵夫人ら家族の前でうれしい今季初勝利を飾った。

 身長1メートル58。今季のツアーメンバー225人中、最小兵だが、ツアー仲間の間では「マッチョ」として有名。その比嘉がこのオフ、体を大きくする従来のパワー重視の筋力トレーニングから体の動きをスムーズにするための自重トレーニングに路線を変更した。
 最終18番では昨季までなら超えなかった284ヤード地点にある右のフェアウエーバンカーを楽々キャリーでパスしてフェアウエーをキープ。「頑張ってきて良かった」とこれまでの取り組みが今季国内ツアー2戦目のこの試合で早速、実を結んだ。

 2週前の東建ホームメイト・カップでのこと。ツアー通算31勝の永久シード保持者、片山晋呉からもらったアドバイスもプラスに働いている。

 「もっと勝っていいよね。いいものを持ってるんだからもっと自分の感性を大事にしたら」

 これまで試合に出場する度に詳細なメモをつくっていたが、今季からそのメモを持たずにプレーしている。

 「メモとその日のの感覚が違った時、これまでは迷いながら打ってましたけど、それはなくなりました」

 感性優先の決断が全て正解ではないが、結果が転んでも迷いや後悔はなくなった。

 今季の目標は複数回優勝と今平周吾の1メートル65を更新する史上最小兵の賞金王。この優勝で複数回優勝に王手をかけたが「何勝とかは決めてないですけど2勝とは思ってないです」と比嘉はさらなる高みを見つめている。

 「最終的には松山さんのようにメジャーで活躍できるようになりたい」

 元々海外志向は強かった。プロに転向した2017年当時。東北福祉大の偉大な先輩、松山英樹から「早く来い」と再三、催促を受けていたが「いつまでも行かないから諦められたんじゃないですかね」とここ最近、そうした誘いの声が掛からなくなったという。複数回優勝と賞金王を手土産に松山の待つ米ツアーへ。この優勝はその大きな一歩となる。

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