香妻 桂川との対決制し2勝目「こんなに苦しい中で勝てたのが凄くうれしいです」

[ 2022年4月4日 05:30 ]

男子ゴルフツアー東建ホームメイト・カップ ( 2022年4月3日    三重県 東建多度CC名古屋=7062ヤード、パー71 )

プレーオフで敗れた桂川(右)を横目に、勝った香妻陣は勝利の雄叫びを上げる(撮影・井垣 忠夫)
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 首位から出た香妻陣一朗(27=国際スポーツ振興協会)が通算14アンダーで並んだ桂川有人(23=国際スポーツ振興協会)とのプレーオフを1ホール目のバーディーで制し、20年三井住友VISA太平洋マスターズ以来のツアー2勝目を挙げた。プロ転向2季目の桂川は1月のSMBCシンガポール・オープンに続く2位。首位に3打差の2位から出た星野陸也(25=興和)は通算13アンダーの3位だった。 

 18番で勝負強く追い付いて持ち込んだプレーオフ。相手が先にパットを外した後、7メートルのフックラインを読み切り右拳を強く握った。ペットボトルを手にプロ仲間が駆け寄ってくる。気温10度。花冷えの一日の最後に待っていたウオーターシャワーの祝福を香妻は満面の笑みで浴びた。

 「最後の2つは気持ちで入れた。こんなに苦しい中で勝てたのが凄くうれしいです」

 2位に3打差で迎えた最終日。1番で1・5メートル、2番で3メートル、4番では再び1・5メートルのバーディーパットを外した。優勝争いの重圧から思うように手が動かない。この時点で2位・星野と1打差。5番のイーグルで息を吹き返したかに思えたが、その後もショットは右へ左へ。もたつく間に圏外にいた桂川がV争いに加わってきた。

 13、16番でボギーを叩き、逆に2打のリードを許す展開。初優勝時と同じ追いかける立場になってようやく手が動き始めた。上がり2ホールで執念の連続バーディー。プレーオフへと持ち込んだ。

 「ミスしてもこんなもんかと自分を受け入れてました。こういう状態でも勝てるんだと自信になりました」

 昨季は28試合中予選落ち6度、棄権1度。好不調の波がそのまま成績に出た。夢の賞金王への課題としてきたムラの解消へは大きな前進となる1勝だ。

 今季の目標は未体験の年間複数回優勝と海外メジャー挑戦。姉琴乃もプロで活躍するゴルフ一家に生まれた27歳にとって、最高の22年開幕戦となった。

《桂川ベストスコア「自分のミスで負けたわけではないので」》「首位に5打差の4位から出た桂川は今大会4日間通じてのベストスコアとなる64を叩き出し、一時は香妻を逆転、逆に2打リードを奪った。「ちょっと悔しいですけど自分のミスで負けたわけではないので」。プレーオフ18番での8メートルのバーディーパットも「入ったと思いました」と思い通りのストロークができた。これでシンガポールの開幕戦から2戦連続の2位。初優勝時に用意しているプロレスラー内藤哲也の決めポーズを披露する日はそう遠くない。

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2022年4月4日のニュース