【玉ノ井親方 視点】“軟投派”に変身した剛腕・高安

[ 2022年3月20日 05:30 ]

大相撲春場所7日目 ( 2022年3月19日    エディオンアリーナ大阪 )

北勝富士を突き出しで破る高安=左(撮影・後藤 正志)
Photo By スポニチ

 危なげない相撲だった。今場所の高安は、まわしを取るまで慎重に攻める取り口が多かったが、この日は一転。安易にまわしを狙いにいくと、北勝富士に下からおっつけられて、動き回られると思ったのだろう。逆に相手の上体をはね上げるような突っ張りを見せ、そのまま突き出した。

 以前はかち上げ気味に当たって相手をはじき飛ばす相撲で、一気に勝負を決めていた。主導権は常に自分にあった。しかしケガや年齢的なこともあって、今はいっぺんに出ていかず、力を十分に出せる形になってから前に出ている。相手の動きに応じて取り口を変えられる自在性が出てきた。野球に例えれば、剛腕投手が制球力重視の軟投派に変身したようなものだろうか。

 20日の中日は入幕2場所目の若元春戦。元気な相手にどんな相撲を取るのか注目だ。(元大関・栃東)

続きを表示

2022年3月20日のニュース