高木美　3000メートル6位　夢の5種目メダル逃すも本命1500メートルへ「リンクの状態確認できた」

北京冬季五輪第2日　スピードスケート女子3000メートル （ 2022年2月5日    国家スピードスケート館 ）

女子3000メートルのレースを終えた高木美帆＝北京（共同）
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　5種目にエントリーする高木美帆（27＝日体大職）が初陣の女子3000メートルに出場し、4分1秒77で6位に終わった。低地の自己ベストから1秒96遅れ、前回18年平昌五輪の5位を下回る順位。日本選手団の主将として「TEAM　JAPAN」に勢いづけることはできなかったが、実戦で氷の感触を確認できたことは残り4種目への収穫となった。次戦は7日、優勝候補の本命に挙がる女子1500メートルに出場する。

　迷いが生じた。本番直前のアップで、高木美は「氷が少し重たい」と違和感を感じていた。最初の200メートル通過は出場20人中2番目に速い19秒58。その後の6週は31秒台でラップを刻み、ラスト1週は32秒91と粘った。10組中3組のインスタート。7組を残してトップに立ったが、9組目を終えて時点でメダル圏外となった。順位は4年前を下回る6位。夢の5種目メダルの可能性が消滅し「この氷に対して迷った部分があったかもしれない。怯んだとは感じていないが、それがどこかに潜んでいたかは分からない」と首を捻った。

　コロナ禍で国際大会が限られ、今大会までに収容1万2000人の新リンクでレースを経験していたのは中国、韓国、オランダの一部選手のみ。高木美は先月30日に現地入りして本番会場で調整をしてきたが、本番になると氷の状態は微妙に変化していた。「氷に（ブレードが）かみやすくなっていたので、リズム良く軽めに滑ろうと思った」。スケーティングの微調整を試みたが、適応しきれなかった。

　日本代表で中長距離を担当するヨハン・デビット・コーチがコロナ検査で陽性となり隔離中。15年から師事するコーチ不在も不安はなかった。18年平昌五輪前は指導者と選手の明確な縦関係だったが、この4年間は実績や人柄を尊重されて徐々に横関係にシフト。高木美の意向が練習に反映され、提示されたメニューを取捨選択できる幅も広がった。本番3日前から対面できていないが、LINEで練習内容や調子を報告。メダルで元気づける計画は2種目目以降に持ち越しとなった。

　次戦は中1日で世界記録を持つ女子1500メートルが待つ。今季W杯3戦全勝しており、絶対的な優勝候補。悲願の個人種目金メダルへの挑戦となる。「リンクの状態は確認できたので、1500メートルに向けてどう組み立てていくかイメージはしやすくなった」。3000メートルはもともと本命種目へのステップにする位置付け。残り種目へ、いかに修正するか。スケートIQの高さを証明する戦いになる。