国枝「ゾーンに入った」全豪OP2年ぶり11度目Ⅴ

[ 2022年1月28日 05:30 ]

全豪オープン第11日 ( 2022年1月27日    メルボルン )

男子シングルスで2年ぶり11度目の優勝を果たし、トロフィーを手に笑顔の国枝慎吾(共同)
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 車いすの部男子シングルス決勝で第1シードの国枝慎吾(37)が第2シードのアルフィー・ヒューエット(24)を7―5、3―6、6―2で破り、2年ぶり11度目の優勝を果たした。4大大会通算26勝目。女子ダブルスで第2シードの青山修子(34)柴原瑛菜(23)組は準決勝でアンナ・ダニリナ(26)ベアトリス・アダドマイア(25)組にフルセットで敗れ、初の決勝進出を逃した。

 11分42秒に及んだ、第3セット5―2からの第8ゲーム。5度目のマッチポイントで優勝を決めると、国枝は両腕を何度も突き上げた。「キャリアの中でもベストのプレーができた。最終セットは力以上のものが出た。ゾーンに入っていたと思う」。大会を通じて調子は良くなかったというが、最速169キロをマークしたサービスを主体に、昨年は準決勝で敗れた13歳下のライバルに雪辱した。
 昨夏の東京パラリンピックで復活の金メダルを獲得。9月の全米オープンも制して主要大会3連勝としたが、達成感からモチベーション維持に苦しんでいる。「テニスを辞めようと思ったり、今日も“もしかしたら最後の試合になるかも”と思った」と明かした。

 目標を見失う中、支えとしたのはテニスで自分自身を表現することだった。「より良いプレーを見せるというテニスを始めた時の原点にいかに向き合えるか」。相手の37本を上回るウイナー50本は王者のプライド。「試合になったら負けたくない。テニスは好きなので」と、サラリと話した。

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2022年1月28日のニュース