松山英樹 PO制し逆転V 米ツアーアジア勢最多に並ぶ8勝目

[ 2022年1月18日 05:30 ]

米男子ゴルフツアー ソニー・オープン最終日 ( 2022年1月16日    ハワイ州ワイアラエCC=7044ヤード、パー70 )

トロフィーを手に手顔で”アロハポーズ”をする松山英樹(AP)
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 マスターズ覇者の松山英樹(29=LEXUS)が通算23アンダーで並んだラッセル・ヘンリー(32=米国)とのプレーオフを1ホール目で制し、アジア勢最多の崔京周(チェキョンジュ)(韓国)に並ぶ米ツアー通算8勝目。昨年9月に開幕した今季2勝目でポイントレースも1位に立った。首位と2打差2位から7バーディー、ボギーなしの63で追いついた。前身のハワイアン・オープンだった1983年に青木功が日本人男子初の米ツアー優勝を果たした伝統の大会で、新たな歴史を刻んだ。

 18番パー5でのプレーオフ。第2打を放った松山には、正面に沈む夕日で弾道が見えなかった。ただ、3Wを握った手に残る「完璧」という感触と観客の大歓声で分かった。「いいところに行った」。ピンそば80センチにつけて勝負を決めた。39年前、青木功が日本人男子初の米ツアー優勝をつかんだ舞台。くしくも同じ18番で、同じイーグルで、今度は29歳がアジア勢最多に並ぶ8勝目をつかんだ。

 「球筋が見えていたら記憶に残るけど、全く見えていないので残らない」と笑いを誘いつつ、「まさかここで勝てるとは。青木さんが初めて日本人としてPGAツアーで勝ったところで、また僕が勝てて凄くうれしい」と喜びに浸った。

 2打差で迎えた最終日。冷静に、要所で攻めて首位を追った。9番終了時点で5打差がついたが、「いいプレーをすればチャンスが巡ってくる」と諦めない。4打差で迎えた11番をバーディーとした松山に対し、R・ヘンリーはボギーを叩き2打差に。正規の最終18番でバーディーを奪って1打差を追いつき、プレーオフに持ちこんだ。

 この大会は得意ではなかった。アマ時代の11年に米ツアーデビューした舞台で、初出場から3年連続の予選落ちを喫するなど過去8度は1度もトップ10がない「苦手なコース」でもあった。ただ、今年は武器のショットにパットがかみ合った。パット貢献度を示す数値は全体1位。芝目の強いグリーンを攻略し、「苦手なコースで勝てたのは自信になる」。総合力アップを証明する勝利にもなった。

 松山には、胸に刻む言葉がある。丸山茂樹の米通算3勝を抜き、日本人最多の4勝目を挙げた17年。丸山から「早くアジア最多の記録を抜いてくれよ」と言われた。その期待に応える節目の優勝。「今日はたくさんお酒を飲もうと思う」。前年覇者として迎える4月のマスターズに向けても、期待が膨らむ今季2勝目となった。

 ▼青木功日本ゴルフツアー機構(JGTO)会長 バックナインに入る時点で5打差がありながらも72ホール目で追いつき、そしてプレーオフの末の逆転優勝ということで、諦めずに追いかける姿に大変感動したと同時に、たくさんの勇気と元気をもらいました。ワイアラエCCは過去に優勝した経験があり、当時の自分に重ね合わせて今大会を見させてもらっていました。そういった意味でも今回の松山選手の優勝は私にとっても大変感慨深いものです。今後のますますの活躍を期待しています。

 ▽83年ハワイアン・オープン 第3日を終え首位タイの青木功は最終日最終組で回り、先にホールアウトした首位ジャック・レナー(米国)と1打差の2位で18番パー5を迎えた。優勝にはバーディー以上が必要な状況でティーショットを右ラフに打ち込み第2打も左ラフに入れピンチに。しかし残り128ヤードからPWで放った第3打がカップイン。劇的イーグルで逆転し日本人初の米ツアー優勝を飾った。

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