5日に全国高校ラグビー準決勝 大畑大介氏が4強キーマンを徹底分析 東海大大阪仰星・薄田らに注目

[ 2022年1月5日 05:30 ]

東海大大阪仰星・薄田周希
Photo By スポニチ

 第101回全国高校ラグビー大会は5日に大阪府東大阪市の花園ラグビー場で準決勝が行われる。東海大大阪仰星(大阪第2)と東福岡(福岡)はAシード同士の対戦。初の決勝進出を目指すBシードの国学院栃木(栃木)は史上6校目の3連覇を狙うAシードの桐蔭学園(神奈川)と激突する。テストマッチ通算69トライの世界記録を持ち、ラグビー世界殿堂入りも果たした大畑大介氏(46)が4校の注目選手を挙げた。(取材・構成 吉仲 博幸)

 まるで運命に導かれるような組み合わせになったのが東海大大阪仰星―東福岡のカードだ。昨大会の準々決勝はロスタイム18分を超える死闘を演じた両校。当時は引き分け抽選で東福岡が準決勝に駒を進めただけに、今回が決着をつける絶好の舞台と言えるだろう。春の選抜大会は東福岡が、夏の7人制大会は仰星が優勝。1勝1敗で迎える最終決戦は、組織力の仰星VS個の東福岡という構図だ。

 ともに主将でFW第3列、仰星のNo・8薄田周希選手と東福岡はフランカー八尋祥吾選手をキーマンに挙げます。仰星は大阪府予選も含めて失点はわずかに7。準々決勝も大型FW擁する常翔学園の強みを消し去った防御は圧巻だった。その中心にいたのが薄田選手。飛び級で20歳以下日本代表候補に選出されたように、攻守で激しいコンタクトが際立つ。1メートル80、97キロとサイズも魅力的で、エリアマネジメントも含めて彼の存在が大きい。

 東福岡の八尋選手は1メートル68と上背はないが、ブレークダウン(ボール争奪)で体を張れるのが持ち味。高校日本代表候補を複数人そろえる中、本人に目立った代表歴はなくてもタレント軍団を束ねる統率力も目をひく。

 関東勢同士の対決は、2年生に注目している。3連覇を狙う桐蔭学園は、抜群のスピードとランニングスキルで局面を一気に打開できるFB矢崎由高選手が鍵を握りそうだ。1年生だった昨大会も主力だったが、体格的にもさらにスケールアップした感じ。数少ない好機でもフィニッシュまで持っていける力があるし、ボールを持つと、何かが起こる空気が充満している。

 矢崎選手は、同じポジションのOBで日本代表FB松島幸太朗選手(クレルモン)ととかく比較されがちだが、それに値する選手だということ。国学院栃木としては彼をフリーにさせることだけは絶対に避けたい。

 桐蔭学園のFWに昨大会ほど爆発的な選手がいないだけに、国学院栃木にもチャンスはある。高校日本代表候補はいないが、攻守に粘り強く、非常に鍛えられた好チーム。2年生のSO伊藤龍之介選手のゲームメークが勝敗を分けそうだ。隙があれば、自ら積極的に仕掛ける攻撃色の強いタイプで、周りを生かすこともできるし、体幹も強い。OBの日本代表SO田村優選手(横浜)に代表されるように、毎年のように司令塔に好選手が多い。初の4強進出を決めた勢いを序盤からぶつけたい。

 ▽第100回大会の東海大大阪仰星VS東福岡 準々決勝で対戦し、前半は7―7。後半は序盤に東福岡が2トライを重ね14点リードしたが、東海大大阪仰星が盛り返し、再び同点に。ロスタイムでは東福岡が猛攻をしかけ、36分に劇的なトライを決めたと思われたが、反則で無効となり、プレー続行。試合終了の30分を18分も超える48分まで続いた。トライ数も同じだったため、抽選となり東福岡が準決勝へ進んだ。

続きを表示

この記事のフォト

2022年1月5日のニュース