藤田寛之 24季連続賞金シード獲得へ「ラストチャンス」 自分を信じて戦う72ホール

[ 2021年11月23日 16:46 ]

24季連続賞金シード獲得へアプローチ練習を繰り返す藤田寛之
Photo By スポニチ

 男子ゴルフのカシオ・ワールド・オープン(賞金総額1億5000万円、優勝賞金3000万円)は25日から4日間、高知県芸西村のKochi黒潮CC(7335ヤード、パー72)で行われる。賞金シード当落線上にいる選手にとってはこの大会が今季の最終戦。ボーダーラインの賞金ランキング65位を目指して72ホールの熾烈(しれつ)な戦いが繰り広げられる。

 2012年の賞金王・藤田寛之(52=葛城GC)もその一人。今季の賞金ランキングは70位。ボーダーラインの賞金ランキング65位・小鯛竜也(31=フリー)とは約171万円差。今大会で最低でも単独21位(賞金177万円)に入らなければ、片山晋呉(48=イーグルポイントGC)と並ぶ歴代2位の23季連続賞金シード獲得がここで途切れることになる。

 「ホントの意味でのラストチャンスになりましたね。ここ最近はこの時期、日本シリーズのことを気にしていることが多かったんですけど、その時、ほかの選手を見て大変だなあと思ってたのがね。賞金シードはプロゴルファーとして純粋に獲りたい。毎年、第一目標はそこ。そこに入りたいという思いは強いですからね」

 生涯獲得賞金ランキング25位以内の選手に与えられるシード権により藤田が来季いきなりレギュラーツアーから姿を消すことはないが、2018年のこの大会では谷口徹が賞金シードを失い、涙を流すシーンを目撃している。トッププレーヤーの証しである賞金シード。そこへのこだわりは強い。

 年またぎとなった今シーズンの最高成績は昨年12月の日本シリーズ8位。今年に入ってからは8月のセガサミー・カップの37位が最高とトップ10はおろかトップ20入りもない。

 「気持ちの面では雨の中でゴルフをしてるようなもの。たまにカラッと晴れた日もありますけど、雨は止まないし、どんどん土砂降りになっていく感じですかね。みんな40代くらいから年齢的なものが現れてくる。自分はしぶとく頑張ってきましたけど、さすがにダメかなみたいな感じです」

 50歳を過ぎて以降は体力と視力の衰えが顕著になり、今年に入ってからいよいよ体が思うように反応しなくなってきた。ゴルフが楽しいと思える瞬間も少なくなったが、これまで積み重ねてきた努力は本物だという自負はある。

 「トレーニングも体のケアも賞金王を獲った時と変わらないぐらい今でもやってますから。これでダメならという思いです」

 カシオ・ワールド・オープンは過去19度出場してトップ10が3度。最低条件の単独21位を上回ったのは6度だが「今さらそこを考えてもしょうがない。それよりも自分の場合は一打一打です」と淡々。自分を信じて残り72ホールを戦う。
 

続きを表示

2021年11月23日のニュース