御嶽海“苦手の11月”4年ぶり勝ち越しに「そろそろ結果出さないと」

[ 2021年11月23日 05:30 ]

大相撲九州場所9日目 ( 2021年11月22日    福岡国際センター )

明生(左)を攻める御嶽海
Photo By 共同

 御嶽海が明生との関脇対決を寄り切りで制し、鬼門の11月場所で4年ぶりの勝ち越しを決めた。1敗を守っての9日目での給金直しは、初優勝した18年名古屋場所での中日に次ぐ早さ。横綱・照ノ富士は平幕・高安を寄り切り、大関・貴景勝も平幕・豊昇龍を押し出してともに全勝を守った。1敗で御嶽海と平幕・阿炎、2敗で平幕・玉鷲ら3人が続く。

 御嶽海が苦手な11月場所で4年ぶりの勝ち越しを早くも決めた。明生との関脇対決。もろ手の立ち合いから突き、押しを浴びせる。攻め切れずに引いてしまうが、踏みとどまったのが大きかった。右四つで胸を合わせ、左上手を引きつけて寄り切り、「前に出ることだけは忘れないようにした」と満足げだ。

 優勝2度を誇る一方、引き技に頼ると淡泊に負けて場内のため息を誘ってきた。この日は精神的な粘り強さを見せ、御嶽海に辛口批評が多い八角理事長(元横綱・北勝海)も「気力がある証拠」と期待をにじませた。

 腫れ物ができた影響で、10月下旬の合同稽古は初日のみの参加。今場所は序盤戦から右目付近を青黒く腫らした。不安を隠さないことが多い力士だが、表情は明るい。「ちょっとガス欠になってきた」と冗談を飛ばした後に「気持ち良く過ごせている」と力強い。

 横綱、大関戦が控え、賜杯争いの鍵も握りそう。「そろそろ結果を出さないと」。真価を示すのは、ここからだ。

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2021年11月23日のニュース