妙義龍“ベテラン妙技”で突きと押し封じた「立ち合いが良かった」

[ 2021年9月19日 05:30 ]

大相撲秋場所7日目 ( 2021年9月18日    両国国技館 )

妙義龍(右)が寄り切りで志摩ノ海を破る
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 平幕・妙義龍が志摩ノ海を寄り切って1敗を守った。来月22日に35歳の誕生日を迎えるベテランが、全勝で単独トップの新横綱・照ノ富士をただ1人、1敗で追っている。関脇・御嶽海は小結・逸ノ城に寄り切られ、大関・正代ら8人とともに2敗となった。

 左上手を引き、右四つから体を密着させて寄り切った。本来押し相撲の妙義龍だが、相手や体勢によって取り口を柔軟に変えられるのがベテランの味だ。志摩ノ海の突き、押しを封じる形となり「立ち合いが良かった」と納得の口ぶりだった。

 新横綱の独走状態となりつつある秋場所で、34歳がぴたりと背中に付けた。現役9位、幕内通算800回出場という節目を白星で飾り「知らなかった。教えてもらってありがとうございます」と笑みを浮かべた。

 技能賞5回の元関脇は先場所まで3場所連続で負け越しと振るわず、今場所前は調整方法を変えた。8月下旬に日本相撲協会が両国国技館で実施した合同稽古に初めて参加。御嶽海や逸ノ城らとぶつかった。

 「新鮮だった。(各一門の)連合稽古が当たり前だったので、ありがたかった。気持ちよく、しっかり取り組めた」。同学年の元大関・豪栄道(現武隈親方)が昨年初場所で引退し、稽古相手を失った事情もある。新型コロナウイルス禍で出稽古などが禁止となる中、他部屋力士との充実した手合わせが好調にもつながっているのだろう。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「いい相撲だったが、気力、体力がこのままいくとは思えない」と、あまり期待していない様子。それでも、本人は連日「体の反応がいい」と手応えを感じている。ふがいない三役たちに代わって後半戦の主役をうかがう勢いだ。

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2021年9月19日のニュース