スピードスケート・高木姉妹の“ライバル愛” 北京五輪へ「なれ合い」より「高め合い」

[ 2021年9月15日 05:30 ]

スライドボードで練習する高木菜那(撮影・小海途 良幹)
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 スピードスケートのナショナルチームが14日、長野県菅平高原での合宿を公開した。18年平昌五輪の団体追い抜き、マススタートで2冠の高木菜那(29=日本電産サンキョー)は、来年2月の北京五輪に向け、妹・美帆(27=日体大職)とのライバル関係を強調。2人で支え合い東京五輪でそろって金メダルを獲得したレスリングの川井姉妹(姉・梨紗子、妹・友香子)、柔道の阿部兄妹(兄・一二三、妹・詩)との違いを鮮明にした。

 五輪シーズン到来を前に、姉・菜那がいたずらっぽく笑った。妹・美帆との関係を問われ「そんなに姉妹愛があるわけじゃない」と冗談交じりに返答。「同じ種目で戦うので、姉妹だけどライバルでもある。姉妹というよりは仲間。パシュート(団体追い抜き)では一人の高木美帆という選手を信頼している。一人が残っても、一人が落ちることもある。私たちは、どっちかが落ちても自分は(上に)行こうと思うのが普通」と説明した。

 東京五輪では柔道の阿部兄妹、レスリングの川井姉妹がそろって金メダルに輝き、支え合う姿が感動を呼んだ。菜那も18年平昌五輪の団体追い抜きで妹と一緒に金メダルを獲得。北京五輪では力を合わせて連覇を目指すが「私たち姉妹はちょっと違う」と強調した。

 個人種目でのメダルを狙う1500、3000メートルではライバルで、近年は実績、記録ともに水をあけられている。五輪は10年バンクーバー大会で美帆が先に出場。14年ソチ大会では美帆が落選し、菜那が大舞台のリンクに立った。常に刺激を与え合う存在だ。

 1500メートルの世界記録保持者の美帆は「東京五輪が終わって周りの空気が冬にシフトチェンジした感覚があり、気が引き締まった。相手とか駆け引きとか関係なく、自分の滑りを目指す中で1番を獲りたい」と力を込めた。北京へと続く新シーズンは、10月22日に始まる全日本距離別選手権で開幕。阿部兄妹や川井姉妹とはひと味違う絆で、お互いを高め合っていく。

 ≪男子・新浜はW杯に照準≫19~20年シーズンの世界選手権男子スプリント部門とW杯500メートル総合2冠の新浜立也(25=高崎健康福祉大職)はW杯に照準を合わせた。目標はあくまで初の五輪舞台となる北京での金メダル獲得。10月下旬の全日本距離別選手権が今季開幕戦となるが「その先のW杯に照準を合わせるので開幕戦で最高のパフォーマンスは予定していない」。コーナーワークには改善の余地を感じており「技術は未完成な部分があり、まだまだ上に行ける感覚がある」と自信をのぞかせた。

 ▽スピードスケート北京五輪への道 各国・地域の出場枠は最大で男女各9で、日本代表は11~12月のW杯4大会と12月末の代表選考会で選出する。10月下旬の全日本距離別選手権でW杯派遣選手を決め、W杯で日本連盟が定めた基準(平均的に3位以内)を満たせば代表に内定。残りの選手は代表選考会の成績で選ぶ。

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