パラマラソン 道下美里が独走Vで金メダル リオの忘れ物「取れてうれしい」 永田務と堀越信司は銅

[ 2021年9月5日 09:54 ]

東京パラリンピック・マラソン ( 2021年9月5日    国立競技場発着コース )

<パラリンピック女子マラソン(T12)>銀座四丁目付近を通過する道下(左)=撮影・河野 光希
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 女子マラソン(視覚障がいT12)が行われ、リオ大会銀メダルの道下美里(44=三井住友海上)が3時間0分50秒で初の金メダルを獲得した。

 道下は15キロまで4人の先頭集団でレースを展開。20キロでは先頭と3秒の差が開いたが、25キロ過ぎにトップと並んだ。30キロ過ぎに2位を引き離すとそのまま独走した。

 道下は山口県下関出身。小4年で角膜の病気を患い、中2で右目の視力を失った。のちに左目も発症し、視力は0・01以下。28歳で陸上を始め、31歳でマラソンに転向した。

 東京パラリンピックでは後半に待ち構える上り坂への対策として、夏合宿では徹底的に坂道トレーニングを行ってきた。「たゆまぬ努力を続けながら、進化を続けていきたい」。その言葉通り、パラリンピックの舞台で成長の証を見せつけた。

 道下は「今回は5年前の忘れ物を絶対に取りに行くぞって強い気持ちでみんなで準備してやってきたので、それが取れてすごくうれしいです」とコメントした。

 男子(上肢障害T46)では初出場の永田務(37=新潟県身体障害者団体連合会)が、同(視覚障害T12)は堀越信司(33=NTT西日本)が銅メダルを獲得した。

 ◆道下 美里(みちした・みさと)1977年(昭52)1月19日生まれ、山口県下関市出身の44歳。小4で膠様(こうよう)滴状角膜ジストロフィーを患い、中2で右目の視力を失う。のちに左目も発症し、視力は0.01以下。26歳で陸上を始め、31歳でマラソン転向。16年リオデジャネイロパラリンピック銀メダル。昨年2月の世界新でスポーツニッポンフォーラム制定「FOR ALL 2020」グランプリ受賞。1メートル44、36キロ。

 ◆永田 務(ながた・つとむ)1984年(昭59)2月20日生まれ、新潟県村上市出身の37歳。働きながらマラソン大会に出場していた26歳の時に、仕事中の事故で右腕に障害を負った。100キロメートルを走るウルトラマラソンでも活躍。今年のびわ湖毎日マラソンの腕に障害のあるクラスでは2時間25分23秒のアジア新記録をマークした。

 ◆堀越 信司(ほりこし・ただし)1988年(昭63)7月19日生まれ、長野県出身の33歳。先天性の網膜芽細胞腫により、右眼は義眼、左眼の視力は0.03ほど。2000年のシドニーオリンピックでの陸上競技選手の活躍に感化され、陸上競技の道へ進んだ。2008年には北京パラリンピック(5000メートル)に出場。その後、マラソンに軸足を移し、2016年リオパラリンピックでは4位に入賞した。NTT西日本所属。

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