上地がストレート勝ちで2大会連続4強入り 記者もだまされた?ベンチでじっと見つめていたのは…

[ 2021年8月31日 14:04 ]

東京パラリンピック第8日 車いすテニス ▽女子シングルス準々決勝   上地結衣(三井住友銀行) 7―5 6―1 朱珍珍(中国) ( 2021年8月31日    有明テニスの森 )

<女子シングルス 準々決勝>2大会連続のベスト4進出を果たした上地(撮影・光山 貴大)
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 第2シードの上地が第7シードの朱珍珍をストレートで破り、2大会連続でベスト4へ進出した。第1セットは4―5で迎えたサービスをラブゲームでキープしてから3ゲームを連取。流れをつかんだ第2セットは6―1で、「普段のプレーを見てても気持ちの入っている選手」という朱珍珍を押し切った。キーポイントになった第1セット第10ゲームについては「このゲームを取られたとしても、第2セットは相手サーブから始められると考えていた。もちろん諦めるつもりはなかったけど、第2セットへ向けた心構えをしつつ、プレーできていたのがよかった」と説明。技術的には相手のリターンとタイミングが合っていたサービスのスピードやテンポを変え、5―5になってからは「自分がリターンをコントロールしやすいように」ポジションを少し下げるなど、落ち着いて判断もできていたという。

 コートチェンジの際にはベンチで1点を見つめて集中する姿があった。記者席からは、上地が常につけているノートを見つめているようにも見えたが、「ノートを見ているように見えましたか?今日は見てなかったんです。ノートは車いすの下にしまってました」と明かし、記者からは「だまされました」の声が上がってミックスゾーンは和やかな雰囲気になった。では何をしていたのかと問われると、「ぶつぶつしゃべりながら、今は相手が打ちやすいサーブを打ってるからどう崩そうとか、しっかり考えていた時間だった。恐らく1点集中で、保冷バックのどこかを見ていたと思います」と答えて笑いを誘った。

 準決勝では、前回2016年リオデジャネイロ大会の準決勝で敗れた第3シード、ファンクート(オランダ)との対戦が有力。「(今大会で)同じヤマにいるというのは必ず意識はしている。今日の試合を迎えるにあたって、彼女に当たる前に負けるわけにはいかないという気持ちも多少あった」と明かし、「しっかり勝ち切れてうれしいけど、この先勝つのは自分にとっては未知の世界。せっかくここまで来たので、もちろん勝つつもりで攻めていきたいけど、この先を経験できるように頑張りたい」と抱負を述べた。

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2021年8月31日のニュース