5人制サッカー 新生ボイス・トレーナー「声を武器に」喉に優しい発声習慣化

[ 2021年8月31日 05:30 ]

指示を出す新生ボイス・トレーナー
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 【支える人(7)】 視覚障がい者らによる5人制サッカーは声が頼り。日本代表に欠かせないのが新生(しんじょう)剛士ボイス・トレーナー(52)だ。「凄くやりがいがある」と19年2月から選手を支えてきた。

 大学、社会人でアメリカンフットボールのQBとして活躍。伸び悩んだ際に発声に有効な体づくりがアメフトに生かせると感じ、専門家の指導を受けた。11年からはフリーのQBコーチとボイス・トレーナーを両立。サッカースクールのコーチ育成カリキュラムで声の高低やトーンを使い分ける指導をしたことが縁で代表に誘われた。

 5人制サッカーはボール保持者に近づく際に「ボイ」と声を上げないと反則。累積すれば相手にPKが与えられる。声には組織プレーに欠かせない味方との連係に加え、相手を威圧する効果もある。走路をふさいで動きを制限し、誘導も可能。「声で守備を変えられる。声を武器にする」という高田監督のビジョンに「メチャメチャ面白い」と引かれた。

 まず取り組んだのは土台づくり。「体をよく響く楽器としてメンテナンスするイメージ。固まった体では声が響かないので緩める」とストレッチやマッサージから始めた。胸郭などの関節部分を意識して柔軟性を高めることで呼吸量を増やし、喉に負担をかけない発声を習慣化。就任1カ月後の大会でGK佐藤から「最終日の前日に普通に話せるなんて初めて」と早速反応があった。連戦でも声がかれなくなり、実戦を想定したメニューでチーム全体を強化してきた。

 アメフトではリクルート(現オービック)などの選手、コーチとして5度の日本一を経験も、日本代表は縁がなかった。だから「代表に関わることができるのは名誉で光栄」と話す。誇りを胸に選手とともに戦っている。 

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2021年8月31日のニュース