照ノ富士 自覚の新横綱Vへ「土俵の上でも下でも、尊敬される横綱に」

[ 2021年8月31日 05:30 ]

新番付が発表され、記者会見する新横綱照ノ富士=30日、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋(日本相撲協会提供)
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 日本相撲協会は30日、大相撲秋場所(9月12日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表し、7月の名古屋場所後に第73代横綱に昇進した照ノ富士が西に座った。令和初の横綱はリモート会見で、角界の屋台骨としての覚悟を示した。進退を懸けた先場所で全勝優勝を果たした横綱・白鵬が10場所連続で東の正位。関脇は昇進した明生、御嶽海と大関から転落した朝乃山の3人となった。

 照ノ富士は「横綱」と記された掛け軸の前に座り、表情を変えずに質問に答えた。「横綱という地位を、ずっと目標にやってきた。これからは相撲を盛り上げられるように頑張っていきたい。土俵の上でも下でも、尊敬される横綱になりたい」

 29歳7カ月は年6場所制となった1958年以降で6番目の年長昇進。両膝負傷や内臓の病気で大関から序二段まで転落しながら奇跡的な復活を遂げた。「必死に頑張ってきた日々を神様が見てくれていたのかなと思う」。苦労人として、強さ以外への意識も色濃くにじんだ。かつてはやんちゃさが目立っていたが、再起の過程で別人のような謙虚さを身につけた。「(番付が)下に落ちて、上がってくる時も一日一日必死にやってきた。その気持ちは変わらない」と不動の心を強調した。

 今月上旬に日本国籍を取得し、決意新たに臨む今場所は最高位として優勝争いを引っ張る責任を負う。目指すは17年春場所の稀勢の里以来となる新横綱V。当時、決定戦の相手は自身だった。「やっぱり一番上の番付ですから。自分のできることを精いっぱい準備して、土俵の上で出していきたい。横綱として初めての場所なので、(ファンには)その姿を見てもらいたい」と自覚を示した。

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2021年8月31日のニュース