日本バスケ 米に“前線基地”設立動く 躍進の女子、パリで悲願金メダルへ 海外挑戦選手を支援&逸材発掘

[ 2021年8月12日 05:30 ]

悲願の金メダルへ、逸材発掘が加速すればバスケットボール女子の活性化は確実だ
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 日本バスケットボール協会が米国オフィスの設立に動いていることが11日、分かった。東京五輪で史上初の銀メダルを獲得した女子、1次リーグ3戦全敗ながら世界との差を縮めている男子のさらなる強化や発展に向け、海外挑戦する選手の支援や日本国籍を持つ“原石”の発掘を進める拠点を置く。この日は三屋裕子会長(63)、東野智弥技術委員長(50)がオンライン会見を開き、東京五輪を総括した。

 日本バスケ界の発展に欠かせない“前線基地”の設立計画が水面下で進行していた。関係者の話を総合すると、プロジェクトはすでに数年前に始動。場所はニューヨークが有力候補で、一時はテナントの選定にも入っていたが、コロナ禍で進展が遅れた事情がある。東京五輪では女子が日本初のメダルを獲得し、再び機運が高まっているという。

 日本協会の三屋会長は総括会見で「JBA(日本協会)として、選手が海外でもまれるためのバックアップやフォローをしたい」と説明。東野技術委員長も「女子のハーフ選手をどう発掘するか。エリート選手を日本から海外に連れて行くトライも必要。海外に拠点を持ってバックアップ体制をつくることが重要になる」と語った。

 八村(ウィザーズ)や渡辺雄(ラプターズ)の存在もあり、男子はNBA挑戦の流れができつつあるが、より世界に近い女子の米国挑戦者は少ない。世界最高峰リーグWNBAでプレー経験のある現役は渡嘉敷(ENEOS)だけ。WリーグとWNBAはシーズンがかぶらず、契約次第で両リーグでのプレーが可能だ。米国オフィス設立でパイプができれば、速さと3点シュートで世界を席巻した選手を大量に送り込むことも夢ではない。

 米国に日本協会スタッフが常駐すれば、日本のパスポートを持つ米国居住選手の情報を集めやすい利点もある。既に男子の資料は多く、東京五輪代表にもハワイ出身の渡辺飛が選出され、今季からB1琉球への加入も決まった。一方の女子は馬瓜エ(トヨタ自動車)、オコエ(富士通)と海外にルーツを持つ選手はいるが、ともに国内で生まれ育った。逸材発掘が加速すれば、女子の活性化は確実。24年パリに持ち越された悲願の金メダルへ、鍵を握る施策となる。

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2021年8月12日のニュース