もはや“呪われた五輪”? デザイン模倣疑惑、大会延期、女性蔑視発言、いじめ…東京五輪トラブルまとめ

[ 2021年7月22日 13:25 ]

国立競技場と五輪マーク
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 23日に開会式を迎える東京五輪はこれまで、新型コロナウイルスの世界的まん延による史上初の延期や、関係者の失言など数々のトラブルに見舞われてきた。開会式前日の22日にも、ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を扱った喜劇を演じていたとしてSNSなどで批判されていた開閉会式の制作・演出チームで「ショーディレクター」を務める元お笑い芸人の小林賢太郎氏が解任された。ネット上では「呪われた五輪」との声も聞かれる今大会。主な騒動を時系列でまとめた。

 ◆15年7月【建設費問題】 メーン会場の新国立競技場の建設費が当初の予定を大きく上回る2500億円以上にかさむことを理由に、イラク出身で英国在住の建築家、ザハ・ハディド氏のデザインを廃案。その後、新たに大成建設、梓設計と建築家の隈研吾氏が手掛けた案を採用した。約1490億円の工事契約を締結し、16年12月に1年2カ月遅れで建設開始。ハディド氏は16年3月、心臓発作のため米国で死去した。

 ◆15年9月【パクリ疑惑】 日本人アートディレクターがデザインした大会の公式エンブレムが、ベルギーの劇場のロゴに似ていると指摘され、大会組織委員会は同デザインの使用中止を発表。16年4月、藍色の「組市松紋」で描かれた新デザインに決定した。

 ◆19年10月【合意なき決定】 東京の酷暑予想を受け、マラソン、競歩競技を北海道で開催する計画をIOCが発表。小池知事は「IOCの決定に同意することはできないが、最終決定を有するIOCの決定を妨げることはしない。あえて申し上げるなら“合意なき決定”です」と皮肉を込めてコメント。

 ◆20年3月【史上初延期】 新型コロナウイルスの世界的まん延を受け、大会の1年延期が決定。大会組織委員会、東京都、政府間で合意し、IOC臨時理事会で正式承認された。当初は20年7月24日に開幕予定だった。

 ◆20年11月【不信で辞任】 開会式の実質的な責任者だった振付師のMIKIKO氏が辞任。延期決定後、組織委員会から連絡のないまま、IOCから新たな企画案を提示されたことによる不信感が主な理由。後日、自身のツイッターで「企画に一から関わっていない以上、責任が取れるものではありませんでした」とつづった。

 ◆21年2月【女性蔑視発言】 組織委員会の森喜朗会長が、JOC評議員会で「女性がたくさん入る会議は時間がかかる」などと発言。女性蔑視とも取れる発言が、平等をテーマに掲げる大会にふさわしくないとの声が殺到し、辞任した。後任には橋本聖子氏が就任した。

 ◆21年3月【容姿侮辱】 開会式で、女性タレントの容姿を侮辱するような演出を公式ながら提案していたとして、開閉会式の企画、演出の統括役でクリエーティブディレクターが辞任。

 ◆21年4月【報道に抗議】 大会組織委員会は、大会の開閉会式の内容を、文春オンライン、週刊文春に報じられたとして、文藝春秋に書面抗議した。雑誌の回収やオンライン記事の全面削除、資料の廃棄などを求めるとした。同社は反論し、「小誌は、こうした不当な要求に応じることなく、今後も取材、報道を続けていきます」とした。

 ◆21年7月【無観客五輪】 菅義偉首相は、東京都での新型コロナ感染者の急激な増加などを理由に、4度目の緊急事態宣言を発出。五輪が同宣言下で行われることが決まり、東京都を含む首都圏1都3県では無観客での開催に。

 ◆同【いじめで辞任】 開会式の楽曲担当だったミュージシャン小山田圭吾が、過去にいじめ加害者だったことを雑誌で告白していた問題で謝罪、20日に辞任を申し出た。開会式の冒頭で使う予定だった小山田の楽曲は使用しないことになり、4分33秒の空白が発生。

 ◆同【大虐殺やゆ】 開会式前日の22日には、開閉会式の制作・演出チームの「ショーディレクター」小林賢太郎氏が、お笑いコンビ「ラーメンズ」時代のコントにユダヤ人の大虐殺をパロディーに使った内容のものがあったとして、解任された。

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2021年7月22日のニュース