鬼塚「複雑」銀 ビッグエア女子実戦で大技初成功も連覇ならず

[ 2021年2月2日 05:30 ]

冬季Xゲーム最終日 ( 2021年1月31日    米コロラド州アスペン )

冬季Xゲーム、スノーボードのビッグエア女子で2位に入り、銀メダルを掲げる鬼塚雅
Photo By 共同

 1回目の試技でいきなり魅せた。ビッグエア女子は鬼塚が逆スタンスから斜め軸に縦2回転、横3回転半する「キャブダブルコーク1260」を女子では実戦で初めて成功。鮮やかに着地を決めると両手を何度も突き上げ、「本番で決めることができてうれしい」と声を弾ませた。

 スロープスタイルを含めた国際大会で何度も表彰台に立ってきた実力者でも、冬季Xゲーム特有の巨大なジャンプ台を前に「めちゃくちゃ怖かった」と恐怖心があった。それでも果敢に挑戦し、1回目の試技では全選手で最高となる47点をマーク。5回のうち得点が高い2回の合計点でトップに3点及ばず「負けるとやっぱり悔しい。複雑ですね」。前回は優勝していただけに手放しでは喜べなかったが、北京五輪を前に確かな手応えを得た。

 メダル候補の一人として期待された18年平昌五輪は8位と惨敗。当初は「次は目指すか分からない」とすぐに北京へ切り替えられなかったが、新技への挑戦をモチベーションに成長を続ける22歳はもう覚悟を決めている。「北京五輪も、もちろん目指していく」と迷いなく言い切った。

 ◆鬼塚 雅(おにつか・みやび)1998年(平10)10月12日生まれ、熊本市出身の22歳。5歳でスノーボードを始め、7歳でスノーボード用品最大手の「バートン」と契約。世界選手権では15年スロープスタイル優勝。熊本・ルーテル学院高出、早大在学中。1メートル58、47キロ。

 ▽ビッグエア(BA) 高さ30~40メートル、斜度20度以上の台から約70メートルの助走を滑り降り、1回のジャンプ技で競う。技の難易度や大きさ、出来栄え、着地の安定性などで採点される。五輪は18年平昌大会から正式種目として採用され、日本女子は岩渕が4位、藤森由香が7位、鬼塚は8位だった。

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2021年2月2日のニュース