19歳戸塚 冬季Xゲーム初V!スノボHP高難度回転技で世界トッププロ制圧「夢が実現」

[ 2021年2月2日 05:30 ]

冬季Xゲーム最終日 ( 2021年1月31日    米コロラド州アスペン )

冬季Xゲーム、スノーボードのハーフパイプ男子で初優勝した戸塚優斗のエア
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 スノーボードのハーフパイプ(HP)男子で今季W杯開幕戦を制した19歳の戸塚優斗(ヨネックス)が3度目の出場で初優勝を飾った。高難度の回転技を連発し世界の強豪選手を抑えた。18歳で初出場の平野流佳(太成学院大)は3位。ビッグエア(BA)女子は前回大会覇者の鬼塚雅(22=星野リゾート)が銀メダルを獲得。岩渕麗楽(19=バートン)が5位、村瀬心椛(16=ムラサキスポーツ)は6位だった。

 4日に開幕1年前を迎える北京五輪へ、戸塚が強烈なインパクトを残した。3連覇が懸かったスコット・ジェームズ(26=オーストラリア)ら世界のトッププロを抑え、スケートボードで東京五輪を目指す平野歩夢(22=木下グループ)、今回エントリーしていたが練習中に膝を痛めて欠場したショーン・ホワイト(34=米国)らスターが名をはせた最高峰の舞台で初戴冠。「夢が実現できた。今日だけは、思い切り喜びたい」と充実した表情を浮かべた。

 出だしでジェームズに首位を譲り、平野流にも抜かれ3位に後退。追い込まれてから真骨頂を発揮した。3回目の試技の冒頭で軸を斜めにした縦2回転、横4回転技「ダブルコーク1440」を決め、逆スタンスの3回転半から進行方向とは逆向きに踏み切る「バックサイド」の回転技を続けて成功。平野歩とホワイトが勝負技にしたダブルコーク1440の連続技も決め、回転技で圧倒的な強さを示した。

 新型コロナの影響で大会の中止が相次いだ中、W杯に続き絶対王者・ジェームズを下し連勝。飛躍の要因はバックサイドの回転技の習得にある。18年平昌五輪まで苦手にしていたが、スタンスと回転方向をそれぞれ切り替えた技を複数マスター。重点的に練習し、試合で高得点につなげるまでに完成度を上げた。

 転倒で途中棄権し11位に終わった平昌五輪から3年。破竹の勢いで成長を続ける19歳は「高回転の難しい技をやりつつ回さないで魅せる部分の両方を一つのランに入れていきたい」と上を見据えた。その目は北京金メダルに照準を定めている。

 ◆戸塚 優斗(とつか・ゆうと)2001年(平13)9月27日生まれ、横浜市出身の19歳。両親の影響で3歳からスノーボードを始める。小3からハーフパイプに取り組み、16、17年に全日本ジュニア優勝。17年3月の全日本選手権を制し、同9月のW杯で初出場初優勝。18年平昌五輪は男子HP11位。1メートル69、63キロ。

 ▽Xゲーム 夏と冬の年2回開催される競技大会。1994年に極限、離れ業といった意味を持つエクストリームゲームズとして開催され、95年に現在の名称で第1回大会が開催された。自転車のBMXやスケートボード、スキー、スノーボードなど実施競技や種目は多彩。特に冬は強豪選手が集い、競技によっては世界最高峰と格付けされている。米国を中心に全世界でテレビ放映され、欧米での人気は特に高い。

 ▽ハーフパイプ(HP) 全長120~180メートル、横幅15~20メートル、高さ6~7メートルの半円状のコース(今大会は全長172・8メートル、横幅20メートル、高さ6・7メートル)で複数回の空中技を競う。技の難易度や高さ、演技構成、着地などの完成度で採点される。14年ソチ五輪、18年平昌五輪で男子の平野歩夢が連続銀メダルを獲得。

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