西岡 大金星にあと1ポイント…A・マリーに逆転負け 4時間39分死闘「紙一重だった」

[ 2020年9月3日 05:30 ]

テニス全米オープン第2日 ( 2020年9月1日    ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター )

1回戦でA・マリーにフルセットの末、敗れた西岡(AP)
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 男子シングルス1回戦で、世界ランキング49位の西岡良仁(24=ミキハウス)は12年覇者アンディ・マリー(33=英国)と4時間39分の死闘を演じ、一時はマッチポイントを握りながら6―4、6―4、6―7、6―7、4―6で逆転負けし、金星を逃した。ダニエル太郎(27=エイブル)、添田豪(35=GODAI)、女子シングルスの日比野菜緒(25=ブラス)、奈良くるみ(28=安藤証券)も初戦で敗れ、シングルスの日本勢は大坂なおみ(22=日清食品)だけとなった。

 雄叫びを上げる元世界王者の横で、西岡が小さく首をひねった。フルセットにもつれた4時間39分の激闘の末に逆転負け。金星を逃し「物おじすることなく、勝とうと思ってプレーした。紙一重の試合だった。ツアーを半年離れていたので、勝負強さが欠けていた」と悔しがった。

 3度の4大大会の優勝を誇るA・マリーを追い詰めた。2月のドバイ選手権以来の公式戦で、立ち上がりから2セットを連取。先にブレークした第3セットをタイブレークの末に落とすと、第4セットはマッチポイントを握りながら生かせず。タイブレークにもつれた第3、第4セットの消耗が響き、最終セットは力尽きた。

 A・マリーはかつてジョコビッチ、ナダル、フェデラーと並び「ビッグ4」と称された。昨年1月に臀部(でんぶ)の手術を受け、一時は引退も覚悟。今大会が昨年1月の全豪以来の4大大会だった。世界ランキング115位まで落ちたが、西岡は「気迫、粘り強さはまだ世界のトップだと思った」と実感。勝負どころで闘争心をむき出しにする元王者を目の当たりにし「自分は消極的な部分が多かった」と反省した。

 新型コロナウイルスの感染リスクを考慮し、西岡は前哨戦のウエスタン・アンド・サザン・オープンを欠場。「全米出場も1週間ぐらい前に決めたので、こんなにできるとは。上々の出だし」と前を向いた。今後は欧州ツアーを転戦し、全仏オープン(9月27日開幕、パリ)に向かう。当面の目標は世界ランキングが出場権に直結する東京五輪。昨年の2回戦を超えられなかったが、ポイント加算以上に貴重な経験を積んだ。

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