「いつもと全く違う光景」 ネット中継現地リポーター・山崎千佳代プロが見た“現場”

[ 2020年6月26日 05:30 ]

女子ゴルフツアー アース・モンダミン・カップ第1日 ( 2020年6月25日    千葉県・カメリアヒルズCC=6622ヤード、パー72 )

18番ホールでバンカーショットを放つ渋野、異例の無観客で行われた(Gettyimages/JLPGA提供) 
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 約4カ月遅れの開幕戦となった女子ゴルフのアース・モンダミン・カップ。ネット中継の現地リポーターを務めた山崎千佳代プロ(56)が史上初めて4日間無観客開催で、新様式でのプレーが求められた初日のラウンドをリポートする。

 私は午前5時半に大会のネット中継の現地リポーターとして、コースに足を踏み入れました。入り口で検温を受け、問題がなかったことを証明するシールをもらい、ウエアの袖に貼りました。当然ですが、会場内には一人もギャラリーはおらず、観客席もありません。見えるのは選手やキャディーの姿だけ。いつものトーナメント初日とは、全く違う光景が広がっていました。

 スタート前に選手に話を聞きました。中には「久しぶりの試合。ましてや初日ですから」と緊張感を漂わせる人もいましたが、大半が「この試合がまず、あることがうれしいです」という返答でした。ですから、選手やキャディーが醸し出すやる気や試合に向かう表情は、普段と変わらない印象でした。

 会場にはマネジャーや家族も入れません。選手はキャディーと一定の距離を保っていなければならず、ナイスプレーをしてもハイタッチもできない。キャディーに近づけないし、周りにマネジャーや家族もいないのでテンションを上げられない。そういうやりづらさはあったと思います。ただ、変に不平不満があったり、この状況にストレスを抱えていたり、甘えがある選手は多分、結果を出せない。そういう意味では、改めてプロとはどういうものなのか、選手が自分を見つめ直す機会になったのではないでしょうか。

 今週は観客はいませんが、普段の試合と同じように練習グリーンにもロープが張られています。そのロープが1本でもあることで、その外に見えないギャラリーがいることを感じてプレーしている選手は必ずいるはずです。 (プロゴルファー)

 ◆山崎 千佳代(やまざき・ちかよ)1964年(昭39)2月10日生まれ、東京都板橋区出身の56歳。日体大を経て1984年プロ転向。89年ウイングフィールドカップ石亭レディースでツアー初優勝。98年大王製紙エリエール・レディースなど通算8勝。1メートル66、59キロ。

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