渋野日向子「なっさけない」プロ初ペナルティーも終盤3バーディーで「チャラ」 イーブン59位発進

[ 2020年6月26日 05:30 ]

女子ゴルフツアー アース・モンダミン・カップ第1日 ( 2020年6月25日    千葉県・カメリアヒルズCC=6622ヤード、パー72 )

久しぶりのしぶこスマイル(Getty Images/JLPGA提供)
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 新型コロナウイルスの影響による大会中止が相次いだ国内女子ツアーは25日、当初の予定から112日遅れで開幕した。無観客で行われ、昨年の全英女子オープン覇者の渋野日向子(21=サントリー)は、3バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの72で回り、59位で初日を終えた。自身プロ初となるペナルティーを受けながらも、後半に3バーディーを奪いカムバック。渋野らしさ全開で、今年と来年が統合された異例のシーズンが幕を開けた。

 新シーズン最初のラウンドを、しぶこスマイルで終えた。最終18番をバーディー締め、イーブンパーに戻してホールアウト。感染予防のためハイタッチはせず、両手でサムアップポーズをつくって喜びを表現した。

 「めっちゃ気持ち良かった。チャラにしたかったので。イーブンに戻せて本当に良かったと言うか、安心しました」

 7カ月ぶりの実戦は、人生初の“うっかり”から始まった。イーブンで迎えた5番パー4。1メートルのパーパットを残すと、同伴競技者のラインに入ったために自身のマークをパターのヘッド1個分動かした。ここでグリーン上にたまった水の整備作業が入る。終了後に元の位置に戻すことを忘れてプレーし、そのままカップイン。誤所からのプレーにより、2罰打を受けてダブルボギーとなった。ペナルティーは中学1年時の過少申告以来で、プロ初となるミス。「怒りを通り越して、笑けちゃって。本当になっさけない」と肩を落とした。

 だが、そこで終わらないのが渋野の強さ。直後の雨による34分間の中断で切り替えた。14番では4メートルをカップ奥に当てて沈め、今季初バーディー。「自分らしい、壁ドンだった」。15番で4メートル、18番でも3メートルを沈めた。オフにパットのスタイルを改造。スタンスを狭くし、フェースの開閉を少なくすることで再現性を高めた。さらに、ルーティンだった打つ前の素振りもなくした。直感を大切にするためでもあり、「ニュースタイルです」。オフの進化を、後半5ホールの3バーディーにつなげた。

 例年とは違う、特別な開幕だ。前夜は午後8時のPCR検査結果判明まで「ドキドキしていました」。この日はキャディーとの接触を極力避けるため、クラブの出し入れやボール拭きも自ら行った。コロナ禍により当初予定の3月開幕から16大会が中止となって迎えた初戦は昨年に全英女子オープンの出場権を獲得した思い入れの強い大会でもある。「本当にありがたい」。感謝を胸に今年初戦をスタートした。

 首位とは6打差の59位。「もっとバーディーを取れるように、もっと攻めのプレーをしたい」と力を込めた。昨年は最終日に8打差を逆転して優勝した大会もある。まだ3日間も、残っている。

 ◇ゴルフ規則「14―7a」 プレーヤーは自分の球が止まった場所から各ストロークを行わなければならない。ただし、規則がプレーヤーに別の場所からプレーすることを要求する、または認める場合を除く。誤所から打った場合は罰則を科せられる。

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