北尾“大物対決”取り直しで小錦破った

[ 2020年6月1日 05:00 ]

夏場所メモリー   北尾(東大関) さば折り 小錦(西関脇) ( 1986年5月18日 )

北尾がさば折りで小錦を破る
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 幕内最長身1メートル99の北尾と史上最重量233キロの小錦の22歳対決は、大技で決着した。北尾はもろ差しを許したところで前に出て、両上手を引きつけながら跳ね上がって圧力をかけた。直後、相手は右膝から崩れた。決まり手は「さば折り」。天覧相撲でストレート給金を果たし、自身初の単独首位に立った。

 大型力士による豪快な相撲は、取り直しの一番だった。最初の相撲は北尾の左足が先に出たように見えたが、物言いがついた。押し込んだ小錦が倒れ込んだ際、左足の甲が返っていたという判断からだ。審判団の意見は割れたものの、結論は「同体」。北尾は「負けたと思った」と振り返り、小錦は「完全に勝っているよ」と怒りを爆発させた。

 小錦にとっては悔やみきれない取り直しとなった。2人合わせて400キロ近い体重がのしかかったことで右膝を負傷。休場を余儀なくされた。直前の2場所で計22勝を挙げていたが、大関獲りから一転、悪夢の場所となった。

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2020年6月1日のニュース