伊藤美誠、オトナの誓い 20歳で五輪“私、負けないので”

[ 2020年5月8日 05:30 ]

来年20歳で東京五輪を迎える伊藤が金メダルを獲得し勝利に美酒に酔いしれる
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 卓球の東京五輪女子代表で世界ランク2位の伊藤美誠(19=スターツ)が7日、テレビ会議アプリ「Zoom」で合同インタビューに応じ、20歳で迎える東京五輪で金メダルを獲得したあかつきには、勝利の美酒に酔いしれたいと誓った。新型コロナウイルス感染拡大防止のため外出自粛を強いられているが、人気ドラマ「ドクターX」で英気を養うなど、持ち前の明るさでコロナ禍も乗り越える。

 普段通りの“美誠スマイル”が画面に広がった。「(五輪で)優勝できるチャンスをもっともっと増やしたい。来年優勝したいので、頑張れている。(次の)試合がいつ行われるのか分かりませんが、8月にあると思って過ごしています」とメッセージを寄せた。

 思わぬ形で1年延期となった東京五輪。国際卓球連盟(ITTF)は7月末まで全活動を停止し、ナショナルトレーニングセンターも閉鎖。困難な日々は続くが、“19歳”の伊藤は前向きだ。10月21日が誕生日。「(当初の)五輪が終わって2カ月誕生日が来ないので、おめでとうの乾杯ができない」状況は期せずして変化した。来年20歳で迎える五輪は飲酒も解禁。「(優勝後に)そのまま乾杯できるうれしさがあります」と異例の事態にも楽しみを見つけた。

 祝杯に不可欠な金メダルも射程圏内だ。4月発表の世界ランクは現行制度では男女通じて日本人史上初の2位に浮上。3月のカタール・オープンではリオ五輪金メダルの丁寧(中国)に完封勝ちするなど押しも押されもせぬエースに成長した。世界1位の陳夢(中国)に一度も勝てていないことさえ「勝ったことのない選手が上にいることはやりがいがある」と逆に伊藤の闘志に火を付けている。

 今年の目標を「無敗の女」とした伊藤。外出自粛の中、ストレス発散方法は「私、失敗しないので」が決めぜりふの外科医・大門未知子が活躍するドラマ「ドクターX」の観賞だ。「今はめっちゃはまっています。強い女性のドラマや映画が好きなので勇気付けられたり、元気をもらっている」と明かした。

 自宅では過去の試合の映像をチェックしたり、目の疲れを取る運動も取り入れる。「一日一日、いつ試合が来ても大丈夫なように実力を上げて待っている」。自信の笑みだ。東京五輪まであと441日。最強の伊藤が無敗ロードを突き進む。

 《日本人過去最高2位》ITTFは4月16日には最新の世界ランクを発表したが、国際大会の中止や延期が相次いだことから、今後は世界ランクの更新は一時凍結。伊藤は現行のランキング制度が始まった91年以降、男女通じて日本勢最高位となる2位に浮上している。

 【美誠の卓球年表】
 ☆2歳 卓球を始めたのは母・美乃りさんの影響。
 ☆6歳 07年1月に全日本卓球選手権で3冠(シングルス、ダブルス、ジュニア)を達成した同郷で同じ「豊田町卓球スポーツ少年団」出身の水谷を祝福。
 ☆10歳 全日本選手権で初勝利。福原愛の持つ史上最年少勝利記録を塗り替えた。
 ☆12歳 全日本選手権女子ダブルスで平野とペアを組み大会最年少勝利。
 ☆13歳 ドイツオープンで平野美宇と組んだ女子ダブルスでツアー最年少優勝。
 ☆14歳 ドイツオープン女子シングルスで初優勝。14歳152日での優勝は史上最年少でギネス世界記録に認定された。
 ☆15歳 16年リオデジャネイロ五輪団体で銅メダルを獲得。
 ☆17歳 世界選手権団体戦で8戦全勝で日本の準優勝に貢献。大会最優秀選手賞を受賞した。
 ☆18歳 全日本選手権女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスで女子史上初となる2年連続3冠を達成。
 ☆19歳 現行制度では日本史上初の世界ランク2位に浮上。

 ◆伊藤 美誠(いとう・みま)2000年(平12)10月21日生まれ、静岡県磐田市出身の19歳。2歳から卓球を始めた。11年に10歳で全日本選手権の女子シングルスで白星を挙げ、福原愛の最年少勝利記録を更新。16年リオ五輪団体銅メダル。現在、世界ランクは2位。1メートル52。利き腕は右。

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