棒高跳びのビッグ3が史上初のオンライン競技会を実施 会場は自宅の庭

[ 2020年5月4日 09:53 ]

2018年のダイヤモンドリーグで握手を交わすラビレニ(左)とケンドリクス(AP)
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 陸上・棒高跳び男子のビッグ3が3日、それぞれの自宅の庭を特設の競技場にして“オンライン競技会”を実施。「ULTIMATE・GARDEN・CLASH(究極の庭での激突)」と銘打った陸上界初の試みは、ソーシャルネットワークの動画サービスによって中継され、世界的な注目を集めた。

 参加したのは元世界記録(6メートル16)で2012年ロンドン五輪の覇者、ルノー・ラビレニ(33=フランス)と、今年になってラビレニの世界記録を2度書き換えた(6メートル17と18)米国出身でスウェーデン国籍のアルマンド・デュプランティス(20)、さらに世界選手権で連覇を果たしているサム・ケンドリクス(27)の3人。ラビレニの提案によって東京五輪の金メダル候補3人がそれぞれの自宅で競技を実施した。

 AP通信によれば競技は計30分の制限時間(15分×2回)で5メートル0に設定したバーを何回クリアできるかで争われ、わずか7歩の助走で試技を繰り返したラビレニとデュプランティスがともに36回(失敗はともに1回ずつ)で優勝を分け合った形。昨秋の世界選手権(ドーハ)で優勝したケンドリクスは26回だった。

 ラビレニはフランス・リヨンの西150キロに位置しているクレルモン・フェラン、デュプランティスは拠点にしている米ルイジアナ州ラファイエットの自宅の庭に助走路とボックス、着地マットを設置。庭にスペースがなかったケンドリクスはミシシッピ州オックスフォードの農場横の森林に特設の競技場を作った。競技役員が不在なのでバーの高さを変えられない状況にあったが、そこは「成功回数優先」というアイディアで切り抜けた形。東京五輪の前哨戦?を終えたラビレニは「庭での競技だけど世界の大きな大会のつもりで跳んだ。面白かったし、彼らと一緒にやることができてうれしかった」と笑顔を見せていた。

 新型コロナウイルス感染拡大に伴って他の競技同様に陸上の大会も延期もしくは中止。国際陸連(IAAF)のセバスチャン・コー会長は「とても革新的で先駆けになるようなイベントで面白かった」と、逆境と向かい合いながらもアイデアを出して新たな競技会を成立させた3選手を称賛していた。

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