藤田寛之の“急がば回れ!”上達講座【第3回 フェードボールとドローボールの打ち方】

[ 2020年4月17日 12:00 ]

フェードボールとドローボールの打ち方について解説する藤田寛之プロ
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 今回のテーマはフェードボールとドローボールの打ち方です。藤田寛之プロによれば、球筋に応じてスイング軌道を変える必要はないと言います。あくまでもストレートボールを打つときと同じ軌道で打つとのこと。それでは、どのようにしてフェードボールとドローボールを打ち分けるのでしょうか。ティーチングプロのジミー常住氏がその方法を聞きました。ポイントは腰の回転にあるそうです。

 常住 最初に藤田プロの持ち球でもあるフェードボールの打ち方から教えて下さい。

 藤田 スイング軌道はストレートボールを打つときと同じです。飛球線に対して体のラインをスクエアに合わせ、体の軸が左右に傾かないアドレスをつくります。自分を中心に左右対称のスイングプレーンがあるとイメージし、そのプレーンにクラブを乗せるのがストレートボールの打ち方です。これを変えずに、ダウンスイングでの腰の回転を速めるだけでフェードを打てるようになります。

 常住 腰の回転を速めるだけですか?

 藤田 はい。クラブを体の左サイドに振り抜けるので、ボールをしっかりとつかまえつつ右回転を与えられます。同時に、目標の左サイドへ打ち出すことができるので強いフェードボールになります。ただし、左腰が右腰よりも高くなると、ボールを正確に捉えられないので、腰を水平に回しましょう。ベルトのバックルにスティックをはめて、そのスティックがスッと左後方に回るイメージですね。

 常住 腰のラインを水平に回すにはどうしたらいいのでしょう?

 藤田 インパクト後に、右足を目標方向に一歩踏み出して下さい。思い切り腰を回していかないと、一歩踏み出すことができません。素振りでもいいし、練習場なら実際にボールを打っても構いません。このドリルを繰り返すと、腰の回転がよくなるので、フェードボールを打てるようになります。

 常住 次に、ドローボールの打ち方ですが。

 藤田 やはり基本はストレートボールのスイング軌道です。今度は、フェードとは逆に、腰の回転を少し我慢します。ダウンスイングで腰がボールに正対するところまで戻ったら、クラブを振り抜くまで左に回さないイメージです。腰の回転を我慢しないと、クラブフェースが被った状態でインパクトを迎えるので引っかけのミスが出てしまいます。
 
 常住 ドローボールを打つときにも何かドリルはありますか?

 藤田 トップ・オブ・スイングまでクラブを上げたら、左足を半足分から一足分ほど左斜め前に踏み出すアウトステップを行います。それからクラブを振り下ろします。自動的に腰の回転を抑えられるので、腰の回転を我慢する感覚を理解できます。逆に、左足を背中側に下げると、腰が開いてしまので気をつけましょう。

 常住 ドリルを行う際の注意点はありますか?

 藤田 左足をアウトステップするときに、上体も一緒に左斜め前に移動しないことです。あくまでも両手はトップ・オブ・スイングの位置にキープしたまま左足を踏み出しましょう。2、3回素振りをした後、実際にボールを打ってみます。トップ・オブ・スイング→アウトステップ→インパクトという手順です。トップ・オブ・スイングで少し止まっても構いません。

 このドリルを繰り返すことにより、左サイドの壁ができるので、腰の回転を抑えられるようになります。(取材協力=千葉・きみさらずゴルフリンクス)

 ◇藤田 寛之(ふじた・ひろゆき)1969年(昭44)6月16日生まれの50歳。福岡県出身。15歳でゴルフを始め専修大を経て92年プロ入り。97年サントリーオープンでツアー初V。12年には年間4勝をマークし賞金王に輝く。20代は1勝だったが、30代で5勝、40代で12勝と年齢を重ねるごとにプレーヤーとしての凄みを増している。昨年は優勝こそなかったものの、賞金ランク18位で23年連続賞金シードを獲得。1メートル68、70キロ。

 ◇ジミー・常住=本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ)1981年(昭56)12月15日生まれの38歳。東京都出身。5歳でゴルフを始め米マーセッド・カレッジ留学を経て、12年日本プロゴルフ協会(PGA)の指導者ライセンスを取得。1メートル70、70キロ。

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