西岡良仁 ツアー中断、世界ランキング凍結にも屈せず ファンに還元できる“何か”を模索中

[ 2020年4月8日 05:30 ]

フォアハンドのレクチャーをする西岡(自身YouTubeチャンネルから)

 男子テニスの西岡良仁(24=ミキハウス)が本紙の電話取材に応じた。世界ランキング48位で東京五輪出場圏内にいたが、コロナ禍により1年延期が決定。ツアー大会は7月13日までの中断が決まり、世界ランキングも凍結している。練習拠点が使えず先行きが不透明な中、現在の心境や今後の見通しなどを語った。

 今は全くテニスをしていない。西岡はBNPパリバ・オープン(米インディアンウェルズ)に向け、3月2日からカリフォルニア州で練習していたが、大会が中止になり同11日に帰国。国内で調整を続けてきたが、練習拠点の味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)のテニスコートが今月2日から使用禁止となった。

 「帰国後は練習をほぼしていない。家の中で筋トレや体幹(トレ)をするぐらい。コーチやトレーナーに会うのも避けています。僕自身が検査を受けていないので、保菌していない保証はない。もちろん体調は悪くないけど、皆お子さんがいるので会いにいけない。リスクを考えると、今焦ってトレーニングする意味はないという感じです。コーチとは3週間後ぐらいに練習を再開できればと話しています」

 当初、東京五輪の出場権は全仏オープン後の6月8日付の世界ランキングで決まる予定だった。西岡は出場圏内の自己最高48位だが、五輪は1年延期。日本男子歴代2位の松岡修造氏の46位超えも視野に入る中、現在はツアー大会の中断により世界ランキングも凍結されている。

 「ランキングが上がり、もっと伸びそうな時期だった。修造さん超えも見えていたので、正直、残念です。昨季のクレーシーズン(4、5月)はポイントを取れていなかったので、今季ここで稼げればという思いはあった。でも健康が第一なので、仕方ない」

 ツアー大会は7月13日まで中断予定だが、今後の状況次第で長引く可能性もある。現時点の予定では8月25日に全米オープンが開幕し、延期された全仏オープンは9月20日に始まる。異例の2大会連続グランドスラムが組まれるが、開催できるかは不透明だ。

 「選手の間では全米や全仏も開催できないのでは、という見方が強い。全米の会場は(患者を収容する)臨時施設になっていますし。テニスのツアー大会はサッカーや野球の国内リーグと違い、全世界から選手が集まれないとダメなので、感染が世界的に終息しないと開催できない。凍結中の世界ランキングのシステムがどうなるか分からないが、出場できない選手がいたら不公平になってしまう。再開がどのスポーツよりも遅いかもしれない懸念はあります」

 18年に発足した全日本男子プロテニス選手会では頻繁にオンラインミーティングを実施。メンバー34人で意見交換し“今できること”を模索している。

 「今は良かれと思ってやったことが批判の対象になる可能性もある。その見極めは難しい。ファンに何かを還元したい思いは強いけど、まだ模索中。自分たちの勉強の時間に充てることも考えていて、他業界の識者の方を(選手会に)呼んで、話を聞くことも企画しています」

 自身のYouTubeチャンネル「yoshi’sチャンネル」の登録者数は約2万5000人。バックやフォア、スライスの打ち方などプロの技を発信している。

 「映像を撮ったのは2月。撮りだめしたのを編集して出しています。今後もテニスコートを使って撮影できればしたい。ただ、この状況でどこまでできるか分からないので、自分の趣味や個人的なことを出す良い機会かなと捉えています」

 ▽テニスの東京五輪出場権 全仏オープン後の6月8日発表の世界ランキングで決まる予定だったが、ツアー大会の中断で世界ランキングが凍結されたため、今後の選考法は白紙となっている。シングルスの出場枠は64だが、各国最大4人の規定や推薦枠、辞退者も想定され、当確ラインは定まっていない。

 ◆西岡 良仁(にしおか・よしひと)1995年(平7)9月27日生まれ、三重県津市出身の24歳。テニススクールを経営する父の影響で4歳からテニスを始める。中学3年で渡米し、錦織圭と同じIMGアカデミーに在籍。14年1月にプロ転向した。18年9月の深センオープンでツアー大会初優勝。生涯獲得賞金は249万2064ドル(約2億7160万円)。1メートル70、64キロ。左利き。

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