IOC緊急声明 東京五輪予定通り開催を強調 新型コロナ雑音“一蹴”「選手は準備を」

[ 2020年3月4日 05:30 ]

IOC理事会の冒頭であいさつするバッハ会長
Photo By 共同

 新型コロナウイルスの感染拡大で7月24日に開幕する東京五輪の開催を危ぶむ声が世界中に広がる中、国際オリンピック委員会(IOC)は3日、緊急声明を発表し「全ての選手に東京五輪に向けた準備を続けるよう促す。IOC理事会は五輪の成功のために全面的に協力する」と予定通り大会を実施する方針を改めて強調した。

 声明では2月中旬に合同作業部会を立ち上げて、大会組織委員会や東京都、日本政府、世界保健機関と連携していると明かした。

 IOCのバッハ会長は、この日スイスのローザンヌで始まった理事会の冒頭で「東京五輪成功に向けた準備のための理事会」と発言。感染者が急増するイタリアの理事が欠席したことに触れ「以前から予定していたこと。コロナウイルスとは無関係で、噂や(誤った)解釈は避けられるものだ」と冗談めかす余裕さえあった。

 古参のIOC委員から「五輪中止」「1年延期」といった発言が独り歩きしたことを踏まえ同会長は「火に油を注ぐことはしない。臆測や仮説にとらわれ、(過去の五輪で中止となった)戦争と比べることは適切ではない」と火消しをしたが、この緊急声明で雑音を完全に封じた形だ。

 理事会では4日に東京五輪の大会組織委員会、準備状況を監督するIOC調整委員会のコーツ委員長がビデオ会議形式で報告し、同日の審議終了後(日本時間5日未明)にバッハ氏が記者会見する予定。IOCによると今回の理事会には通常の約3倍の報道陣が取材申請し、世界的な注目度の高さを示した。

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2020年3月4日のニュース