24歳・佐藤幸が逆転V 地元札幌で今季W杯2勝目 「僕がいい風を全部持っていった」

[ 2020年2月2日 05:30 ]

ノルディックスキーW杯ジャンプ男子個人第17戦 ( 2020年2月1日    札幌・大倉山ジャンプ競技場 ヒルサイズ=HS137メートル )

表彰式で笑顔の佐藤(中央、左は2位クラフト。右は3位クバツキ)
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 24歳の佐藤幸椰(雪印メグミルク)が2回目に138・5メートルを飛び、合計244・3点で1回目6位から逆転優勝。今季、通算とも2勝目を挙げた。男子で国内開催のジャンプW杯を制したのは、12年札幌大会の伊東大貴(雪印メグミルク)以来、8年ぶりとなった。日本男子最多タイの17勝目に王手をかけていた小林陵侑(23=土屋ホーム)は1回目首位に立ったが、2回目に失速して15位に終わった。

 1メートル61と小柄な佐藤幸が、大倉山の気まぐれな風を味方につけて大アーチを描いた。1回目6位から上位を狙った2回目。ヒルサイズを越える138・5メートルを飛び、残る5人にプレッシャーをかけた。後続は風にも恵まれず、最後の小林陵が失速。地元札幌でW杯2勝目を手にした。

 「僕がいい風を全部持っていった(笑い)。フェアではなかったが、ファンの皆さまが喜んでくれたことが一番良かった」。スタートゲートが極めて低く設定され助走距離が短いため、風も必要となる過酷な試合を制した。前日までは「大倉山は苦手」と語ったが、「優勝しても、好きになるまでは…」と苦笑いした。

 31日の予選までは空中でのスキーのバラつきが気になっていたという。前夜に右のスキーの留め具を替え、しっかりといい風を捉えた。「地元で勝って自信になるはず」と所属先の岡部孝信コーチ。エース小林陵に引っ張られて若手が躍進する日本チームに、新たなスター候補の誕生となった。 

 ◆佐藤 幸椰(さとう・ゆきや)1995年(平7)6月19日生まれ、北海道石狩市出身の24歳。小2からジャンプを始める。石狩花川中3年で全国中学優勝。札幌日大では史上初のインターハイ3連覇を達成した。14年に雪印メグミルク入社。19年12月にW杯初優勝。1メートル61、53キロ。

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2020年2月2日のニュース