羽生 3年ぶり4度目優勝 ファイナル切符獲得 チェンに奪われた王座「奪還」必ず

[ 2019年11月24日 05:30 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第6戦 NHK杯最終日 ( 2019年11月23日    札幌市・真駒内セキスイハイムアリーナ )

男子フリーで演技をする羽生(撮影・小海途 良幹)
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 男子フリーでは14年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦(24=ANA)が全体トップの195・71点を叩き出し、合計305・05点で3年ぶり4度目の頂点に立った。4回転トーループからの連続ジャンプにミスが出たが、後半2本のジャンプを修正する能力の高さを見せ圧勝。12月5日にイタリア・トリノで開幕するファイナル出場権を獲得した。24日はエキシビションが行われる。

 やれることは、やり切った。演技後、羽生はゆっくり首を縦に振る。プーさんのぬいぐるみが投げ込まれる中、笑みを浮かべ納得した表情を見せた。自らと戦う孤高の王者にとって理想型には遠かったが、3年ぶりに頂点に立った国内のGPシリーズは格別の景色だった。

 「また、こうやって皆さんのエネルギーを感じながら滑ることは日本ならでは。最後まで楽しく、力をもらって滑らせていただきました」

 何があっても動じない。5本目の4回転トーループ―1回転オイラー―3回転フリップの1本目が2回転に。今季アレンジを加えた得点源のコンビネーションに失敗が出たが、後半2本のジャンプの難度を上げてフィニッシュ。「(リカバリーは)日頃から練習してなくはないです。でも、ノーミスするまで通すので、そこで切りたい、もう一回やりたい」と苦笑いで振り返ったが、ミスをしても一つの物語として完結させてしまう修正能力の高さがある。

 収穫もあった。冒頭の4回転ループを決め、続く4回転サルコーも成功。フリー「Origin」で2つのジャンプをそろえるのは初めてだった。特にループは昨年11月のロシア杯の練習で負傷。公式練習でもそのシーンがよぎった。だが、直前の6分間練習で跳ぶなど調整にアレンジを加え「今回の課題がループとサルコー。そこをクリアできた」と手応えを口にした。

 課題と収穫を持ち帰り自身7度目のファイナルに向かう。直近2年、悩まされたケガもない万全の状態。ネーサン・チェン(米国)が持つ世界最高得点フリー216・02点、合計323・42点の更新も射程圏だ。もうあふれる思いを隠さない。

 「自分が4連覇して、もっと強くずっとあそこに君臨したいと思っていたのが、どんどん遠ざかっていて…。最終的に(チェンに)連覇されてしまっている。そこをもう一回奪還したいっていう思いが凄く強くある」

 シーズン序盤の天王山は、06年トリノ五輪が行われた会場となる。SP、フリー曲でそれぞれオマージュをささげるジョニー・ウィアー、エフゲニー・プルシェンコの両氏が同大会で舞った場所でもある。フリーが行われるのは12月7日。最高の「Origin」を舞い、25回目の誕生日を自ら祝う。

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