八村に“スリー”の極意 歴代最多2973本成功レイ・アレン氏から金言「重要なのは完璧な練習」

[ 2019年10月30日 05:30 ]

ロケッツ戦に向けてシュート練習するウィザーズの八村
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 NBAウィザーズのドラフト1巡目新人の八村塁(21)が28日、本拠地ワシントンのチーム施設で全体練習に参加して、レジェンドから“金言”を授かった。本拠地デビューとなる30日(日本時間31日)のロケッツ戦へ向けて、約1時間半の実戦形式中心のメニューを消化。会場を訪れた歴代最多2973本の3点シュートを決めたレイ・アレン氏(44)から3点シュート上達の秘けつについてアドバイスを受けた。

 3点シュートの感覚を入念に確認して、八村が練習を締めた。開幕から全3試合に先発し、1試合平均16・3点を記録。今季新人でデビューした52人のうち、3戦連続2桁得点はRJ・バレット(ニックス)と2人だけ。主力としてフル回転するが、3点シュートは全8本を失敗中だ。外からの決定力が最重要課題に挙がる中、NBA屈指のシューターだったアレン氏から貴重な言葉を授かった。

 「重要なのは完璧な練習。スリー(3点シュート)を練習気分で打つのではなく、決勝の終盤をイメージして、背の高い選手が寄せてくるのを想定して打つことが大事だ」

 アレン氏は3点シュートの通算成功数が歴代1位の2973回を誇る。セルティックス、ヒートなどに所属して4回の優勝経験があり、オールスターに10回出場。昨年3月にはバスケット殿堂入りを果たしている。この日はクラブからの依頼を受け、練習後のチームミーティングで栄養面や試合への準備の重要性などを30分近く熱弁。八村にはゴンザガ大時代から注目しており「サイズと適応力に優れた選手で、高いレベルでプレーできる。大きな成功を収められると信じている」と太鼓判を押した。

 八村はクラブ公式ツイッターでアレン氏に言及。「小さい頃からよく見ていた選手。試合に勝つために、いかに毎日同じ練習をコツコツやってこられたのかが分かった。いろいろな話が聞けていいものをつかめた」と強調。本拠キャピタルワン・アリーナに隣接するクラブ公式ショップでは元々好調だった背番号8のユニホームの売れ行きが、試合を重ねるごとに加速。28日午後の時点で白基調のファーストユニホームのオーセンティック版は品切れだった。30日の本拠デビュー戦ではロケッツと対戦。レジェンドの金言を胸に、シュートの最終調整に入る。

 《「3点シュートライン」大学時代より90センチ遠く》NBAではゴールから3点シュートラインまでの距離が最大で90センチほど、NCAA(全米大学体育協会)に比べて遠い。八村が「スペースは広がって、違ってくる」と言うように適応が必要だ。ゴール下での得点を求められたゴンザガ大時代は3点シュートを打つ機会が少なかった。3季で試投76本は、ドラフト全体3位のバレット(ニックス)がデューク大時代の昨季だけで放った237本の3分の1以下。ただNBAでは大型選手も3点シュートを狙うのが潮流で、攻撃の幅を広げることが求められる。

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