大畑大介氏 世界2位の武器封じへ 山中のキック処理が鍵

[ 2019年9月27日 09:30 ]

ラグビーW杯1次リーグA組   日本―アイルランド ( 2019年9月28日    エコパ )

南アフリカ戦で大畑氏がキーマンに挙げる山中
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 【日本かく戦え 大畑大介レジェンド展望】FB山中をキーマンに挙げたい。W杯のような大きな大会は、勢いがある選手が大事。ロシア戦は途中出場でいい突破を見せ、調子を上げている。キック対策でも戦力だ。

 CTB、FBでプレーしてきたトゥポウをWTBで使うのは、キック対策の応急措置のように見えるかもしれないが、裏返せば、山中の起用にメドが立ったということ。戦力が1枚増えたと、プラスにとらえるべきだ。

 スコットランド戦で39回のキックを試みたアイルランドは、今回も必ず蹴ってくる。1メートル91のフィニッシャー、WTBストックデールら、バックスはタレントぞろいでミスがトライに直結する。1メートル80台の山中とトゥポウが安定感あるキック処理をすれば、相手の攻撃手段の一つを消すことにつながる。

 初戦のタックル成功率が94%の大きくて堅い相手ディフェンスは、連続攻撃でほころびが出るのを待つ戦術が通用しない。サインプレーや、アンストラクチャー(陣形が整っていない状態)から、一気にトライまで結びつけなければならない。チャンスは少ない。大事なのは、密集で絡まれずにいかにボールを早く出せるか。それと、ミスを恐れず果敢に展開すること。スピードとチャレンジがキーワードになる。

 SOセクストンが不在とはいえ、先発のカーティはスコットランド戦で途中出場し、非常にいい動きを見せた。彼からすれば今回はアピールチャンスで、戦力ダウンはない。

 もともと、総合力が恐ろしいほど高いチーム。付け入る隙があるとすれば、カーティの経験の浅さか。混乱させるためにも、SHを含めたハーフ団への激しいタックルで、重圧をかけるしかない。

 自陣に安易に進入させないために、不用意な反則はタブー。逆に反則を得れば、トライよりもPGで3点を重ねることが大事になる。得点で離されないことが、勝利への最低条件になる。(ワールドラグビー殿堂入り、W杯2019アンバサダー)

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2019年9月27日のニュース