東京五輪メダルをデザイン 川西純市氏、決定後1年間の“苦労”「のどから言葉が…」

[ 2019年7月25日 12:25 ]

東京五輪メダルデザイン記者会見に出席した(左から)宮田亮平座長、川西純市氏、古宮正章氏(撮影・安田健二)
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 2020年東京五輪のメダルデザイナー川西純市氏(51)が25日、東京・晴海で記者会見し、周囲に自身のデザインが選ばれたことを伏せたまま過ごしたこの1年間について「のどから言葉が出かけたところをグッとこらえた」と笑いながら明かした。

 メダルデザイン審査会は17年12月にスタートし421点のエントリーがあった。それが昨年4月の一次審査会で3点に絞られ、同7月に川西氏の作品が選ばれた。

 最後の3点まで残った段階で電話連絡を受けた時は「お酒を飲んでいたが、酔いがさめた」と率直な心境を告白。その3カ月後に最終デザインとなった知らせを受け「ウソという感じで頭が真っ白になった」と当時の興奮を振り返った。

 それから1年。デザイナーの情報が漏れないまま晴れて24日のセレモニーでお披露目の場を迎えた。この1年をどのように過ごしたか聞かれると、笑みを浮かべて「一番重要な問題だった」と強調。「光栄でうれしい気持ちはあったけど誰にも言えないところがあって、なかなか自分で触れることもできない」ともどかしさを口にした。仕事に打ち込んで「一切合切忘れよう」と気持ちを切り替えたものの「どこか頭の片隅で湧き上がってくるので、非常にのどから出かけてくるのを飲み込んで過ごしてここまできた」と選ばれたあとの葛藤を明かした。

 待ちに待った発表から一夜明けて「これほど反響があるとは思わなかった。あまり眠れませんでした」と余韻に浸った川西氏。実物のメダルはアスリートのみに渡されるため自身の手元に届くことはない。それでも、終始穏やか表情を浮かべた姿からは充実感が漂っていた。

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