【玉ノ井親方 視点】休場明けとは思えぬ動きの白鵬、気になる点は…

[ 2019年7月14日 21:03 ]

8連勝を飾った白鵬は、泥だらけの正代(左)の前で仁王立ち(撮影・椎名 航)
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 白鵬は土俵際で正代にすくわれて、一瞬ヒヤリとさせられたけど、その後の攻めが早かった。相手に泳がされてもすぐにやり返し、お互いに、いなすような感じになった。

 最後は引いて勝ったが、足腰の強さを感じさせる一番だった。休場明けの相撲とは思えない。瞬時に横に動く動作は、他の力士にないもの。だから相手は攻めたくても、終始横綱のペースに持ち込まれてしまう。

 ただ、右腕のケガの影響かもしれないが、ここ2番は引きを交えた相撲になっている。四つに組みたくても組めないのかもしれない。そこが少し気になるところだ。

 もう1人の横綱の鶴竜も状態は良さそうだ。突き放してくる相手に、下から下からあてがいながらいなすような形で勝った。動きも悪くなかった。

 高安は左を入れにいった時に小手投げ受け、肘を痛めたようだ。左を入れたらすぐにかいなを返すのが基本。それができていないから、相手に小手に振られやすくなる。左を入れても半身の態勢になり、自分でケガをするような相撲になっている。もう少し工夫しながら取れば内容も変わる。残念だ。

 優勝争いは横綱2人が引っ張っていく展開になるだろう。ただ御嶽海も悪くない。逸ノ城に上手を取られたけど、下から入ってハズを押しながら前に出ていった。中盤から後半に向けて面白い存在になりそうだ。  (元大関・栃東)

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2019年7月14日のニュース